ブックタイトル事例で解決!もう迷わない認知症診断

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事例で解決!もう迷わない認知症診断

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事例で解決!もう迷わない認知症診断

かかりつけ医・非専門医の段階で診断が可能な事例事例 7独居のアルツハイマー型認知症73歳,女性診療のポイント??独居患者さんが軽度認知症にとどまっている段階では,病歴を聴取しても生活障害を正確に把握することが困難な場合が多いので,認知症の有無を確認することは困難である.??独居患者さんでも行動障害や精神症状が目立つときには診断は容易なことが多い.しかし,おとなしい独居患者さんでは判断の決め手に乏しいことが少なくないので,臨床診断を下すことが難しい.??独居患者さんの場合,服薬管理ができる体制が構築されてから抗認知症薬を開始すべきである.病 歴同居していない娘さんから病歴を聴取した.5年前に夫と死別してから独居生活を送っている.1年前から同じことを何回も言うようになった.自分で買ってきたものを覚えていない.分割された夫の遺産を患者さん本人が持ち歩くので,「不用心だから」と息子が預かったが,それを理解できず,誰かが盗んだと言い張ることが多い.金融機関の暗証番号を変更したことを覚えられず銀行に怒鳴り込んだ.外出すると自宅に戻れない,近くの息子宅に行けないこともある.以前は入浴を好んでいたが,現在は面倒だからといって入浴しない.季節に合った衣服の選択がやや困難である.掃除をしないこともしばしばある.物忘れは徐々に悪化している感じがする.既往歴:特記すべきことなし.病歴からみた診断ポイント本事例は物忘れで気づかれ,1年間で症状が緩徐に進行・悪化していることが病歴から明らかである.外出すると迷子になる,入浴したがらない,衣服の選択が困難,掃除をしないなど日常生活で多大な支障がみられ,やや被害的な言動も認められることから,別居している娘さんが認知症を疑い受診したものである.34