ブックタイトル国際保健医療のキャリアナビ

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概要

国際保健医療のキャリアナビ

176 2 章 国際保健医療を学ぶ1 章「私のキャリアパス」では,国際保健医療をキャリアとして活躍する30 人の経歴を紹介しました.大きく分けて,① 医学系,② 看護系,③ 文系,④ 理系などと,大学などで学んできた分野が必ずしも“保健”や“医療”,さらに“国際”でもなかったことにお気付きになられたでしょうか.これから国際保健医療協力のキャリアを目指す皆さんが,この章を読み進めると,さらに国際保健医療協力に“王道なし”という結論が腑に落ちるのではないかと思います.国際保健医療協力に“王道なし”1 章を読んで,あなたはどのように思われましたか.「経歴は十人十色で,大学で選択した学部も人によってさまざま」といった,学歴の多様性に驚かれた方もいるでしょう.また文系,理工系,体育系など,一見,国際保健医療協力とは無縁と思われる学部出身の読者は「私と似た学歴・経歴の先達を見つけた」ことで国際保健医療協力に関する仕事に就く勇気と希望が出てきたかもしれません.とにかく,国際保健医療協力でのキャリアを望む人には,誰にでも何らかの道が開かれています.一方,“保健”や“医療”を学んではいるものの,国際保健医療協力に適切でない人もいます.この分野に王道はありません.まずは「私にもできる!」という自信とチャレンジ精神をもちましょう.国際保健医療の“学び方”「国際保健医療協力の道は誰にでも門戸が開かれている」と言われても,もっと具体的な説明がなければ不安が残るでしょう.そこで,国際保健医療協力を志す人からよく尋ねられる質問とそれに対する回答(例)を以下に紹介します.Q1 高校生からの質問将来,国際保健医療の仕事に就きたいのですが,どの大学で学べばよいですか?A1国際保健医療を専門に学ぶ大学(学部)はありません.医学・看護系でも国際保健医療の専攻コースが存在するわけではなく,医学部,看護学部で国際協力を目指す学生は全体の1~5%と少数派です.さらに国際協力を目的に医学・看護系に入学した学生が,在学中に多数派の影響を受け,卒業時には同分野に対する興味がまったく失せてしまう例もよくあります.そのため,国際保健医療協力の仕事を将来目指すのであれば,まずはどの分野でもよいので興味のある学部を専攻し,その分野をしっかりと学ぶこと.大学在学中に大切なのは,専攻分野よりむしろ同じ志をもつ仲間とつながることです.大学内や地域では少数派でも,全国規模では同じ志をもった友や先達に出会えます.例えば,日本国際保健医療学会(JAIH)やその学生部会(jaih-s)のホームページなどから情報を収集したり,学会や研修会に参加してみるなど,直接,国際保健医療協力を体験した人の話を聞いたり,対話することをお勧めします.Q2 医療資格をもたない人からの質問国際保健医療協力の仕事をしたいのですが,医師や看護師でないと不利ですか?A2確かに1990 年代まで,国際保健医療協力に関わる人は,医療資格をもった人が多数派でした.しかし欧米ではその頃にすでに医療資格をもたない人々が同分野で活躍しており,近年日本でも遅ればせながら医療資格をもたない人が国際保健医療協力に多く関わるようになりました.そ