ブックタイトル「はたらく」を支える!職場×双極性障害

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概要

「はたらく」を支える!職場×双極性障害

より突然睡眠欲求が低下し,昼夜を問わず活発に行動.休職中にもかかわらず,「新商品のアイデアが浮かんだ」「今から取引先と交渉に行ってくる」など上司,同僚に電話をかけ,社内が騒然となった. Cさん(20 代の男性,人事労務担当)入社1 年目だが,活発でやる気をみせて,当初社内では評判がよかった.年度末に上司との評価面談の際,自らの評価の低さに激怒し,翌週に100 ページにも及ぶレポートを作成して提出した.いかに自分が優秀かをアピールする意図のようだったが,膨大なレポート量に反して,中身はエッセイのような内容で「今後の会社のあるべき姿」「いかに自分がこの会社にとって必要なのか」などを力説するも,あまりにも非現実的で的外れなため,部課長会議で問題となった.その後,突然,給与が手取り25 万円にもかかわらず,「家賃50 万円の高級タワーマンションに引っ越したので,住所変更したい」と申し出た. Dさん(40 代の女性,接客業)物腰が柔らかく社内でも評判で,仕事上,お客様に接して,ときに苦情対応をすることも多かった.出張の際に,突然,滞在先のホテルに「従業員の態度がなっていない」「室内のインテリアが無礼だ」「窓ガラスが汚れている」などとクレームを言い,「支配人を呼んで来い」と命じ,フロントで4 時間不平不満を言い続け,警備員が駆け付けても文句を言い続けた.ホテル側が本人の会社へ電話連絡し,社内で問題化.出社時,今度は上司,同僚に声高に文句を言い続けて暴れ,警察官に取り押さえられた.結局,懲戒解雇となった. Eさん(40 代の男性,マスコミ関係)不眠不休で働く毎日.仕事ぶりに問題はなかったが,ある頃より離席が多くなり,仕事上のミスも多くなった.上司が面接をしたところ,「急な思い付きでポルシェを購入してカードローンで多額の借金をしている」「借金返済のため金融会社からの電話に追われて,仕事どころではなかった」と供述した.B ストレスチェックの実施にあたって2015(平成27)年,改正労働安全衛生法に基づくストレスチェック制度が施行され,労働者が50 名以上いる事業所では,同年12 月から,毎年1 回ストレスチェック(職業性ストレス簡易調査票質問紙を推奨)をすべての労働者に対して実施することが義務付けられました(図2-1-3~7) 4).この制度はあくまでも労働者自身が自分のストレス状況に気づき,希望があれば産業医などの医師に相談を求めることができるというものです(図2-1-8).うつ状態にある労働者の場合,「仕事の量が多い」「活気がない」「憂うつだ」「疲れやすい」24第2 章 職場での対応――こうすれば支援できる