ブックタイトル「はたらく」を支える!職場×双極性障害

ページ
2/6

このページは 「はたらく」を支える!職場×双極性障害 の電子ブックに掲載されている2ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

概要

「はたらく」を支える!職場×双極性障害

A 双極性障害の職場への影響近年,気分障害の考え方に変化が起きており,従来「うつ病」と考えられていた部分の36%はじつは双極性障害(双極性スペクトラムを含む)であるともいわれています 1).したがって,こうした「隠れ躁うつ病」の早期発見は,疾患予後を良好にするためにきわめて重要です.一般に,双極性障害(特に過去の躁病エピソード)は医師の診察だけでは見落とされやすいので,双極性障害が背景と思われる職場での問題事例を本人から丹念に聴取したり,職場からそうした情報を入手したりして連携を密に取ることは,診断や治療方針の決定のためにきわめて重要です.患者調査によれば 2),気分障害の患者数は年々増加傾向にあり,最新の2014 年報告では,その患者数は111.6 万人に及びます(図2-1-1).世界精神保健日本調査(WMHJ) 3)によれば,双極性Ⅱ型障害(労働者)の12 ヵ月有病率は,0.4%に及び,調査が行われた2000 年当時の日本の人口が1 億2692 万5 千843 人1職場での対応図2?1?1 厚生労働省患者調査(精神疾患について)[文献2)より引用]統合失調症(F2)気分障害(F3)神経症性障害(F4)(診断基準はICD-10 による)震災のため宮城県の一部と福島県を除く199646.643.372.1199942.444.166.620025071.173.4200558.592.475.7200858.9104.179.5201157.195.871.3201472.4111.677.3(年)120100806040200(万人)22