ブックタイトル原子力災害の公衆衛生

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原子力災害の公衆衛生

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概要

原子力災害の公衆衛生

15 双葉町の取り組み129B● 加須市避難所に1,300 人程いたときは,亡くなる人が出ないかと不安で仕方がなかった.● マスコミによる情報の影響が大きく,不要な心配やうわさが飛び交うことを避けるため,避難所にいる住民には,情報を速やかに伝えることが大切となる.● 加須市には役場の機能もあるので,住民は保健チームを頻繁に訪れている.高齢者が多いので,保健チームを頼りにするのも無理はないが,自立ができないというデメリットがあり,異常な事態だと感じている.● 避難所のルールはきちんとつくる必要がある.(保健業務)● 職員があちこちに分かれて機能分散することは,よいサービスをするという意味では,効率のよいものではない.● 乳幼児健康診査や予防接種,住民健康診査など,通常は受けることができたサービスを受けられない住民がいる.災害,避難の状況のときに,それをどのようにして組み立てて,すぐ対応できるか段取りするまでに,非常に時間がかかることが問題.● 乳幼児健康診査にしろ,予防接種にしろ,災害時避難の特例として,もっと速やかにサービスを受けられるようにしなくてはいけない.また,受けていない可能性もあるので,住民が受けたかどうかということを,きちんと把握する必要がある.● 住民が,避難先の市から別の市町村に移動するときには,法的に報告義務がある.● 避難元である双葉町に随時情報提供(実施報告)をする義務がない.年度内に無料の定期予防接種を受けなければ自費接種になってしまうので,避難先の市町村で受けたかどうかを把握し,接種するようすすめたい.妊産婦・子ども1 栄養(食事・水など)a. 状 況● 震災当日の夜,総合保健福祉施設のヘルスケアーふたばでは,人工乳(粉ミルク)も哺乳瓶もなかった.● 小学校,中学校の体育館などの避難所にも,子どもの粉ミルクやおむつの用意がなかった.b. 対応(実際の対策)● 震災当日の夜,ヘルスケアーふたばの隣にある双葉厚生病院の小児科で哺乳瓶と粉ミルクを分けてもらった.● 小学校,中学校の体育館などの避難所には,粉ミルクやおむつを配布した.