ブックタイトル原子力災害の公衆衛生

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原子力災害の公衆衛生

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概要

原子力災害の公衆衛生

1 章原子力災害とは14の被災者の避難がほぼ終了した3 月13 日の時点で,まだ840 人の患者の搬送が終わっていなかった.福島県災害対策本部,災害派遣医療チームDisaster Medical AssistanceTeam(DMAT),自衛隊などの協力により懸命の搬送が行われた.しかし, 搬送中に12人, 直後に50 人の人々が亡くなったと報告されている1).復興庁がまとめた震災関連死は,2012 年3 月までのほぼ1 年間で福島県では761 人と被災県のなかで最も多く,避難所などにおける肉体的,精神的疲労と,避難所などへの移動中の肉体的,精神的疲労がその原因の第1 位と第2 位を占めていた.さらに,福島県内の長期療養施設における避難者の死亡率も,震災後の数ヵ月は例年の3 倍近い状態であったことも報告されている2). このような避難地域には,計画的避難区域も含めると約12 万人が居住していたが,緊急時避難準備区域など合わせて当該市町村では約21 万人が避難を余儀なくされた.2011年と現在の避難指示区域と警戒区域などの変遷の概略地図を示す(図2 - 1 ).●●20km伊達市飯舘村 (2012年7月17日~)南相馬市(2012年4月16日~)田村市(2012年4月1日~)川内村(2012年4月1日~)大熊町(2012年12月10日~)広野町いわき市福島第一原発福島第二原発富岡町(2013年3月25日~)(2013年8月8日~)浪江町(2013年4月1日~)川俣町葛尾村(2013年3月22日~)双葉町(2013年5月28日~)葉町楢(2012年8月10日~)帰還困難区域居住制限区域避難指示解除準備区域凡例※( )内の日付は区域見直しの施行日今回の原災本部決定で区域見直しを実施する町図2 - 1  避難指示区域の概念図(2013 年8 月7 日現在)