ブックタイトル原子力災害の公衆衛生
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原子力災害の公衆衛生
309A37 福島県栄養士会震災当時の福島県栄養士会の活動全般 2011 年3 月11 日に発生した東日本大震災とその後に発生した東京電力福島第一原子力発電所(以下,福島第一原発)の事故では,福島県に甚大な被害と多くの悲しみをもたらすと同時に,「人間は,水と食糧がなければ生きていけない…」そんな当たり前のことを痛感させられた. 原子力災害は,9 町村が県内外の地域に役場機能を移転せざるを得なくなったほか,福島第一原発から100 km 離れた会津地方を含めた県内全域に風評被害が及び,農林水産業のみならず製造業を含めたあらゆる産業が大きな打撃を受けるなど,文字通り福島県の基盤を根底から揺るがすものとなった. 特に,震災直後は交通網の被害やガソリン不足とともに放射線の影響を心配し,1 ヵ月近く食糧などが福島県に入ってこない異常事態が発生した. そのようななか,福島県栄養士会(以下,本会)は震災直後から行政や自衛隊などの関係機関や関係団体と連携,協力しながら,ボランティアによる被災者のための栄養,食生活支援活動を実施した.本会は,自らもすべてを失い避難生活を送っている会員も含め,支援活動に登録した管理栄養士・栄養士139 人を,避難所や仮設住宅などに派遣し(延べ400 人),支援活動を続けた(表3 7 - 1 ). 今回の被災を通して,「食は生きる基本」であると同時に,「災害時の栄養・食生活支援」は震災直後から必要であることを痛感することになった. ここでは本会における震災直後から約1 年間のボランティア支援活動について報告する.地区集団支援・指導個別支援・指導スタッフ(ボランティア等)人数回数施設数・住宅数人数回数施設数・住宅数人数保健所栄養士栄養士会・ボランティア緊急雇用・絆づくり等臨時栄養士その他自治体等福島県523 940 36,879 1,134 2,098 3,724 693 400 380 379(福島県健康増進課調べ「保健福祉事務所における栄養・食生活支援活動状況」 2012 年4 月1 日現在)表3 7 - 1 食糧支援活動の状況