ブックタイトルわかる!身につく!病原体・感染・免疫 改訂3版

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概要

わかる!身につく!病原体・感染・免疫 改訂3版

免疫・生体防御の機構 513染する危険が高まる.腸管の蠕ぜんどううんどう動運動も,粘膜に付着した病原体・異物の体外への排除・排出にかかわる.その他,泌尿器での排尿作用も侵入した病原体・異物を体外へ洗い流す.d.常在微生物叢(常在細菌叢) 通常,胎児は無菌状態だが,出生直後から各種の微生物に汚染されはじめる.そして,外界に接する部位の表面,特に皮膚や粘膜などに,一定の微生物が定着するようになる.これらの微生物群を常じょうざいびせいぶつそう在微生物叢indigenous microbiota または正せ いじょうびせいぶつそう常微生物叢normal microbial floraとよぶ(図3 -6).常在細菌叢 常在微生物には,ウイルス,真菌,原虫などもあるが,細菌が圧倒的に多い.細菌のみを対象にする場合は,常じょうざいさいきんそう在細菌叢indigenous bacterial flora(正せ いじょうさいきんそう常細菌叢normal bacterial flora)という.涙や唾液の分泌(リゾチームなどによる溶菌)組織マクロファージ(肺胞,肝臓など)による貪食胃酸・酵素・粘液胆汁や消化酵素腸・腟の常在菌によるバリアー排尿・排泄による異物の排除皮膚の角質層などの物理的バリアー,汗・皮脂の分泌粘液・分泌液や咳・くしゃみなどによる異物の排出図3 -5 自然免疫による非特異的感染防御結 膜口腔内皮 膚尿 道腟鼻の粘膜咽 頭大 腸● 表皮ブドウ球菌● 黄色ブドウ球菌● 肺炎レンサ球菌など● レンサ球菌● ブドウ球菌● スピロヘータ● フソバクテリウム● ペプトストレプトコッカス● 酵母様真菌(カンジダなど)● 表皮ブドウ球菌● 黄色ブドウ球菌● プロピオニバクテリウムなど● ブドウ球菌● カンジダ● 乳酸桿菌(成人)など泌尿生殖器上気道● レンサ球菌● インフルエンザ菌● 肺炎レンサ球菌● ブドウ球菌など● バクテロイデス● フソバクテリウム● 嫌気性レンサ球菌● ビフィズス菌● 大腸菌● 腸球菌● プロテウスなど図3 -6 主な常在細菌の分布