ブックタイトルわかる!身につく!病原体・感染・免疫 改訂3版

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わかる!身につく!病原体・感染・免疫 改訂3版

28 感染・感染症の機構と種類●A 感染症と伝染病 病原体の感染によって起こる病気が感か んせんしょう染症infectious disease であり,そのうち,インフルエンザなどのように,感染したヒトや動物から別の個体へ直接あるいは間接的に病気がうつるものを伝でんせんびょう染病communicable diseaseとよぶ.感染症の多くは伝染病であるが,なかには破は しょうふう傷風(外傷によって土壌中の破傷風菌が感染する)などのように,患者からは病気がうつらないものもある.●B 感染症の流行 ある集団や地域で,同じ病気の患者が次々に発生する現象を流りゅうこう行epidemicといい,一般に伝染病で起こることが多い.流行は,その規模によって汎はんぱつせいりゅうこう発性流行pandemic,地ちほうてきりゅうこう方的流行endemic などに分けられ,前者は国境を越えて多国間に広がる世界的な流行を,後者は国内での地方的な流行をさす. 流行が特定の集団または地域内に限って発生した場合を集し ゅうだんはっせい団発生mass epidemicという.一方,時間的にも場所的にも少数の患者発生の場合を散さんぱつはっせい発発生sporadicとよぶ.●C 感染症の病名と分類1) 感染症の病名a.固有の名称をもつ感染症 感染症には,コレラ(コレラ菌)や破傷風(破傷風菌),痘と うそう瘡(痘瘡ウイルス)などのように,固有の名称をもち,特定の病原体によってのみ起き,特徴的な症状や経過をとる疾患がある.b.感染部位による総称 一方,肺炎や腸炎,髄膜炎などのように,病理学的な立場から,臓器・組織の炎症部位による総称も使用される.この場合,感染以外に化学物質やアレルギーも原因となるため,感染性のものでは,その原因(細菌,ウイルス,寄生虫など)によって,細菌性腸炎やウイルス性髄膜炎などのようによばれ,複数種類の病原体がその原因となる.2) 感染症の分類 感染症は,病原体の種類やその感染部位によって分類される.また,伝染性・危険性のある感染症については,行政の立場から,法律によっても分類されている(p.121 法律による感染症対策の項 参照).a.病原体の種類別の分類 感染症は,その原因となる病原体の種別によって,細菌感染症,ウイルス感染症,真菌感染症,寄生虫感染症,プリオン病などに大別される.病原微生物学・寄生虫学などの学問的立場から,原因究明などに重要である.2 感染症の種類