ブックタイトル戸田新細菌学 改訂34版
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戸田新細菌学 改訂34版
?ウイルスによる発癌541Ⅳポトーシスが障害されることにより癌が発生する(図Ⅳ?6?3).実際の癌の発生には,宿主の免疫系による癌の排除機構も深くかかわっているが,ウイルスのなかにはこの免疫系にも作用して癌の発生を促進することができるものもある. 以下に,ウイルスの種類ごとに発癌のメカニズムを見ていく.C.レトロウイルスによる発癌1.RNA 腫瘍ウイルスの発見 エラーマン(V. Ellerman)とバン(O. Bang)は1908 年に白血病のニワトリから,またラウス(P.Rous)は1911 年にニワトリの肉腫から濾過性ウイルスを分離した.これらはウイルスによる癌(悪図Ⅳ?6?3.癌ウイルスによる発癌のメカニズムDNA 損傷ストレスDNA 損傷ストレス細胞増殖シグナル細胞増殖シグナルp53 細胞周期pRB p53 細胞周期pRBアポトーシスによる細胞死アポトーシスの抑制増殖能の亢進宿主免疫系の抑制調節された細胞増殖規則正しい増殖と異常細胞の排除細胞の癌化レトロウイルスの癌遺伝子産物正常細胞癌ウイルスが感染した細胞図Ⅳ?6?2.癌ウイルスの定量a.非感染,b.SV40 感染.SV40 を感染させたラット由来の線維芽細胞株3Y1 を5 cm のペトリ皿当たり104 個まき,動物血清を含むイーグル液中で37℃で2 週間培養した.正常細胞はペトリ皿当たり106 個まで増殖し,単層のシートを形成すると分裂を中止する(接触阻止).トランスフォーム細胞は分裂をさらに続け,多層に重なり合った細胞からなるフォーカスを形成して肉眼的に観察されるようになる.トランスフォームフォーカスの数はウイルス量に比例して生じる.(木村元喜 博士 提供)a b