ブックタイトル戸田新細菌学 改訂34版
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戸田新細菌学 改訂34版
?炭疽菌とバシラス属の細菌367Ⅲ【培 養】 通性嫌気性で,寒天培地表面のコロニーはR型,辺縁はけば立って見える.辺縁を顕微鏡下で100 倍に拡大して観察すると,カールした頭髪状で,ちぢれ毛状またはメデューサの頭状に見える(図Ⅲ?12?3).気相に約5%二酸化炭素(CO2)が存在し,培地中に重炭酸塩が添加されると,莢膜の形成が促進されM(mucoid)型のコロニーを生じる.液体培地では液面に薄膜をつくり,管底に長糸状の沈殿を生じる.【生化学的性状】 ブドウ糖,ショ糖,マルトースなどを分解するが,ガス非産生で,キシロース,マンニトール,アラビノースは分解しない.カタラーゼ反応陽性,インドール反応陰性,硝酸塩還元陽性,また,カゼイン,ゼラチン,デンプンを分解する.【遺伝学的性状】 アメリカでのバイオテロで実際に使用されたと考えられる,B. anthracis Ames 株のゲノムサイズは約5.5 Mb で,B. cereus と同程度であるが,B. subtili(s 枯草菌)より1.4 Mb ほど大きい(表Ⅲ?12?1)3~5).本菌の病原性に関与する莢膜合成遺伝子群(cap 領域)と,毒素合成遺伝子群(pag,lef,cya 遺伝子)は,それぞれプラスミドpXO2,pXO1上に存在する.B. cereus もプラスミドを保有して図Ⅲ?12?3. 炭疽菌のコロニー辺縁部図Ⅲ?12?1.炭疽菌のグラム染色(a)と芽胞染色(b)a b図Ⅲ?12?2.炭疽菌芽胞(a)と発芽した芽胞(b)の電子顕微鏡像a b