ブックタイトルはじめる!つかえる!看護のための薬理学

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概要

はじめる!つかえる!看護のための薬理学

82 代謝に関連する薬1)従来の薬第一選択はスルホニル尿素薬,またはビグアナイド薬.第二選択はチアゾリン誘導体,またはαグルコシダーゼ阻害薬.軽症例はα-グルコシダーゼ阻害薬で経過観察することも多い.2)新しい薬a インクレチン関連薬インクレチンはβ細胞に作用してインスリンの分泌を促し,間接的に,血糖値を下げる方向に働く.インクレチンは酵素により容易に分解され不活性化されてしまう.したがって,酵素により分解されにくいインクレチン誘導体(インクレチンアナログ),またはインクレチン分解酵素阻害薬を作れば糖尿病の治療に利用できるかも知れないということで最近開発されたのが以下の2 系統である(図3-8).  ① インクレチンアナログのプチン系(アログリプチン安息香酸塩など)  ② 分解酵素阻害薬のプチンリン系(シタグリプチンリン酸塩水和物など)b SGLT2 阻害薬第1 章でグルコーストランスポーター(糖輸送体)について簡単に整理した.すなわち,促進拡散型の輸送体であるグルコーストランスポーター(GLUT:glucose transporter)とナトリウムグルコース表3-5 おもな経口糖尿病治療薬群薬剤の分類一般名薬の特徴1スルホニル尿素薬グリクラジドβ細胞に作用してインスリン分泌を促すフェニルアラニン誘導体ナテグリニドインクレチン関連薬プチンリン系インクレチン分解酵素DPP-4 を阻害プチン系分解されにくいインクレチンアナログ2 αグルコシダーゼ阻害薬ボグリボース小腸でのグルコース吸収を遅延させ食後高血糖を防ぐ3 ビグアナイド薬メトホルミン肝臓での糖新生を抑制4 チアゾリン誘導体ピオグリタゾン末梢組織でのグルコース取り込みを促進5 SGLT2 阻害薬ダパグリフロジン尿細管でのグルコース再吸収を抑制各種1 薬のみリストアップした.図3-8 インクレチン関連薬膵臓すいぞう胃インクレチン 大腸分解酵素阻害薬インクレチンアナログ抑制作用分解酵素十二指腸小腸肛門直腸