ブックタイトルスッキリわかる!グングン身につく!生化学ドリル

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スッキリわかる!グングン身につく!生化学ドリル

16. がんの生化学 173 がんとがん細胞? は,遺伝子に突然変異をもつがん細胞が際限なく増殖し,場合によっては全身に転移し,放置すると個体を死に至らしめる致死性疾患である.胃がんや肺がん,骨肉腫や白血病などの通常の? において,がん細胞は遺伝子に変異をもつが,? であるため遺伝しない.しかし,なかには高率に子孫に遺伝する家族性がんというものもある.がん細胞はつぎの2 点で遺伝的に正常細胞とは異なる.1 点目は,普遍的にみられる継続的で高い増殖性である.通常,細胞は有限の細胞分裂回数をもつが,がん細胞にはこの制限がなく,? している.これががん細胞の本質である.増殖性が高いため,がん細胞はDNA 合成阻害剤に対する感受性が高く,それらの薬剤はしばしば抗がん剤として利用される.2 点目は,細胞どうしが接触しても増殖する(? の喪失),浮遊しながら増殖できる(? の喪失),無関係な細胞集団中でも増殖する(細胞社会性の喪失),さらに,プロテアーゼ分泌活性が高い,血管新生能が高いといった特徴がみられることである.このようながん細胞に特徴的な性質をもつことを細胞が? しているという(図16-1).がん組織のなかには,がん細胞を産生し,分化能をもつがん幹細胞があると考えられる.一般に,がん幹細胞には抗がん剤が効きにくく,難治性である.A図16-1 がん細胞はトランスフォームしている浮遊状態でも増殖する細胞と接して盛り上がって増える増殖停止・大きくていびつな核・なめらかな細胞形態・弱い接着力異所性増殖の喪失細胞社会性の喪失正常細胞正常細胞 正常細胞軟寒天培地がん細胞 がん細胞がん細胞? の喪失 ?