ブックタイトルまるわかり!基礎生物

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32 第3章 ? 生体を構成している物質1.変 性 タンパク質は,熱,酸,塩基,重金属イオン,有機溶媒,界面活性剤などによって変性します.変へん性せいとは,二次構造以上の高次構造が壊れるために起こり,変性するとそのタンパク質は生理活性を失います(図3-10).身近な変性の例としては,卵白を加熱すると濁って沈殿してきたり(温泉卵),コラーゲンでは同様に加熱すると溶けたりします(コラーゲン鍋など).図3―10 タンパク質の変性と失活酵素活性部位が変形し,基質が酵素と結合できない酵素としての機能を失う基質変性タンパク失活質の変性によって,立体構造が変化2.塩 析 タンパク質の水溶液に多量の塩えんを加えると,タンパク質の種類によっては沈殿します.これをタンパク質の塩えん析せきといいます.こうした方法は,生体からタンパク質を抽出したりするときに使われます.図3―9 タンパク質の四次構造ヘモグロビンの四次構造.b 鎖b 鎖a 鎖a 鎖ヘム基タンパク質の性質3.三次構造 二次構造をとったポリペプチド鎖が,さらに折りたたまれると,それぞれのタンパク質に特有の立体構造である三さん次じ 構こう造ぞうを形成します(図3-8a). アミノ酸どうしの結合には,システイン残基間のジスルフィド結合(S-S 結合),疎そ 水すい性せい結けつ合ごう,水すい素そ 結けつ合ごう,静せい電でん結けつ合ごうなどがあります(図3-8b).4.四次構造 三次構造をとった複数のポリペプチド鎖が合体してさらに大きな立体構造をとることがあります.これを四次構造といいます.また,組み合わさった一つひとつのポリペプチド鎖の集まりをサブユニットといいます.四次構造をとるタンパク質でよく知られるものには,ヘモグロビン分子などがあります(図3-9).Tyr Phe Lys CysSerO NH3+COOSSジスルフィド結合疎水結合静電結合イオン水素(結合)結合HO HPhe Glu CysH3N+COOa.立体構造の例b. アミノ酸をつなぐ相互作用図3―8 タンパク質の三次構造a. はミオグロビンの三次構造.b. はチロシン-セリン間の水素結合,フェニルニアラニン-フェニルニアラニン間の疎水結合,リシン-グルタミン酸間の静電気結合(イオン結合),システイン-システイン間のジスルフィド(S?S)結合を示しています.