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まるわかり!基礎生物

30 第3章 ? 生体を構成している物質 そして,これらのアミノ酸はDNA によって並び方が決められています. 近年の高感度分析技術により,タンパク質にはアミノ酸以外の成分を多少含んでいることがわかっています.このようなタンパク質は複ふく合ごうタンパク質と呼ばれています.たとえば,炭水化物と結合したタンパク質を糖とうタンパク質といいます.2.種 類 ヒトの体には約10 万種類,自然界全体では100 億種類以上のタンパク質があると考えられています.これらのタンパク質を大きく分けると構こう造ぞうタンパク質と機き 能のうタンパク質に分類できます(表3-1).構造タンパク質には,体のつくりを維持するという機能があります.1.基本構造 タンパク質の構成単位はアミノ酸です.アミノ酸は,炭素原子にアミノ基き (NH2)とカルボキシル基き (COOH)が結合した化合物です.構造は図3-4のようになります.R の部分を側そく鎖さ といい,一番単純なものはグリシンというアミノ酸で,側鎖はH になります.タンパク質の種類を決める要素・アミノ酸の種類・アミノ酸の並ぶ順序・アミノ酸の結合数(長さ)重要!表3-1 タンパク質の種類と役割構造タンパク質DNA が巻き付いているヒストン,筋線維のアクチンフィラメントとミオシンフィラメント,組織のコラーゲンなど,細胞や組織の構造をつくるタンパク質機能タンパク質細胞膜のナトリウムポンプ,抗体(免疫グロブリン),ヘモグロビン,酵素,受容体,ホルモンなどとしてはたらくタンパク質アミノ酸2.種 類 ヒトのタンパク質を構成しているアミノ酸は20 種類あります.図3-5(次頁)のようにアミノ酸は,酸性,中性,塩基性,水への溶けやすさなどから分類されます.アミノ酸を記号で示すときは,3文字もしくは1文字の略号で示すことが決められています. また,アミノ酸には生体内で合成できるものと,外から取り込まなければならないものがあります.この取り込まなければならないアミノ酸を必ひっ須す アミノ酸さんといいます.1.一次構造 タンパク質を構成するアミノ酸の直鎖を,そのタンパク質の一いち次じ 構こう造ぞうといいます(図3-6).一次構造であるアミノ酸配列は,一部の例外を除き,遺伝情報(DNA)に基づいて並べられたものです. また,アミノ酸がたくさん(ポリ)のペプチド結合でつながれているのでポリペプチド鎖ともいいます.2.二次構造 二に次じ構こう造ぞうとは,タンパク質のポリペプチド鎖のうち,近くにある水素原子と酸素原子が水すい素そ 結けつ合ごうによってできる立体構造です.これにはらせん構造(a ヘリックス構造)のものやシート構造( b シート構造)のものがあります(図3-7).図3―4 アミノ酸の一般式R はアミノ酸の種類ごとに異なります.H2N -CHCOOH 3HRCアミノ基カルボキシル基RR に当てはまるものは図3─5 にあります.タンパク質の構造図3―6 タンパク質の一次構造ポリペプチド鎖アミノ酸ペプチド結合