ブックタイトルまるわかり!基礎生物

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まるわかり!基礎生物

タンパク質29・いろいろな物質を溶かす:細胞内の物質(酵素など)やガスは,すべて水に溶けてはたらきます.・比熱が大きい:18℃の水の温度を1℃上げるには4.2 kJ/kg 必要です.つまり「比熱が大きい」というのは「温まりにくく,冷めにくい」という性質を表しています.したがって,生物に含まれる多量の水のおかげで,外部温度が大きく変化しても体内の温度変化が少なくて済むわけです.・融解熱・気化熱が大きい:水は凍りにくく気化しにくい性質を持っています.生物の体内にある多量の水が凍ったり,すぐに気化したりすることは少なく,安定しているのです.・熱伝導率が大きい:水は液体のなかでも熱伝導率が大きいほうです.水の熱伝導率はアルコールの約3倍,空気の約25 倍にもなります.・表面張力・凝集力が大きい:水の表面張力の大きさはアルコールの約3倍です.また,水が木の導管(通導組織のなかの管)を通って高いところまで登っていくのも,大きな凝集力によるものです.1.構 造 水の分子式はH2O で,1個の酸素原子と2個の水素原子からできています(図3-2).酸素原子と水素原子との結合角は104.5°です.液体の水は分子が自由に動ける状態で存在しています.2.性 質 一般的な性質は,分子量が18,密度は1g/cm3 で,約4℃で最大になります.融点が0℃で沸点が100℃です.水図3―2 水分子104.5° OH H タンパク質は,原形質の乾燥重量のなかで一番比率が高く,約67%(およそ2/3)を占めています.タンパク質は,体の構成成分としてだけではなく,生体内の化学反応を触媒する酵こう素そ の本体としても重要です.また,ヒトの体を構成するタンパク質は10 万種類ぐらいあるといわれています.タンパク質はエネルギー源としても消費されるので,体重70 kg の成人の日本人なら約50 g/日が必要と考えられています.1.構 造 タンパク質は,アミノ酸がペプチド結合(一方のアミノ酸のカルボキシル基と,もう一方のアミノ酸のアミノ基がくっついてH2O が取れる)によって数十個~数千個結合してできています(図3-3). タンパク質の種類は,次の要素によって決まります.図3―3 ペプチド結合R はアミノ酸の種類により異なります.詳しくは「アミノ酸」の項で解説します.N CH H OH R1 OHC + N CH H OH R2H2OOHCN CH H OH R1C N CH H OR2 OHC脱水縮合ペプチド結合アミノ酸アミノ酸2 タンパク質