ブックタイトルまるわかり!基礎生物

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28 また元素で見た場合,生重量で多い元素は,酸素(O)66%, 炭素(C)17.5%, 水素(H)10.2%, 窒素(N)2.4%の順になります.これは原形質の8割以上が水(H2O)で占められていることによります.タンパク質10 %水 85 %脂質 2 %脂質13.3 %核酸1.1 %核酸7.3 %無機質1.5 %炭水化物0.4 %炭水化物2.7 %タンパク質66.7 %その他の無機物10.0 %生重量% 乾燥重量%図3―1 生体に含まれる物質の構成比 生体を構成する物質のなかで一番多いものは,原形質(核+細胞質)では水です.次いで,タンパク質,脂質,核酸という順になります.炭水化物はわずか1%以下です.原形質で比べると,動物も植物もそれほど変わりません.また,水分を除いた乾燥重量でも,1番目がタンパク質で変わらず,2番目以下が脂質,核酸,炭水化物という順になります.いずれにせよ水とタンパク質は,生体にとって,ともに重要であることがわかります(図3-1).生重量と乾燥重量 私たちのからだの6~7割が水分であるといわれています.空を飛ぶ鳥や昆虫類は,これほど水分を含んでいません.ヒトが命を授かってから,どのタイミングで水との関係が始まるのでしょうか. 1つの個体としてみると,それは受精してから発生初期の時点で始まります.子宮内で成長した胚は,やがて胎児となって羊水に浮かぶようになります. また,栄養分や酸素も水に溶けた状態で胎盤を通して母親からもらうようになります.この羊水の成分は海水の成分とよく似ており,まさに「母なる海」の中で育つのです. 種としてヒトの進化の道筋をたどってみると,それは海から始まりました.生命は海で誕生したのです.やがて乾燥した陸地に進出する際に,爬虫類や鳥類は卵の胚膜のなかに,哺乳類は子宮内の胚膜のなかに海に似た環境を作ったのです.体液である血液・組織液・リンパ液にも海水の成分が見られます.したがって,体液成分の溶媒として,飲料水は重要な供給源であることがわかります. このように,ヒトは水環境と切っても切れない状況のなかで生活しています.生体を構成している物質水,タンパク質,アミノ酸,原形質,炭水化物,核酸,DNA,RNA,脂質,脂肪酸,グリセリンキーワード第3章1 生体を構成する元素