ブックタイトル創薬研究のための薬事と知財の連結戦略ガイド

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概要

創薬研究のための薬事と知財の連結戦略ガイド

53基本概念│ 2 - 3 薬事データと知財データの連結的関係  とを意識して,試験研究を進めるとよい.薬事承認には,とりわけ再現性と信頼性が保証された高い品質のデータが求められるので,それらに準拠したデータは特許の実施例としては十分なレベルにある.また,試験法も両者でできるだけ共通するかたちに工夫することが重要である. たとえば,「薬効・薬理」の試験がよい例で,医薬組成物の薬理活性を評価する方法がいくつかある場合,その化合物の作用機序から考えて治験のエンドポイント(評価項目)に対応する動物評価系を構築して用いるのである.そうすれば,その試験データは,請求項となる適応症にうまく反映させることができる特許の実施例になるうえ,薬事データとしては,治験と関連性が高い非臨床試験データとすることができるであろう.申請書類からみる薬事と特許 薬事データと特許データを実際の文書レベルで比較した結果が,図2-7である.薬事のCTD と特許文書の最も大きな違いは,CTD は医薬品の試験研究データをすべて網羅したデータパッケージであり,ボリュームが圧倒的に多いことと,多くのデータの取得方法が規制(Good Practice)に則っていることである.一方,特許文書は,「発明の単一性」の要件(特許法第37 条が定める,「相互に技術図2 -6 医薬品の研究開発における薬事戦略と知財戦略の関係図中の年数は一般的な経過を示す.2 年 4 年 6 年 8 年 13 年 15 年知財戦略薬事戦略物質特許製法特許製剤特許用途特許用途特許化合物製造非臨床試験臨床試験対象疾患想定標的分子探索薬効/用途検討スクリーニング法の確立標的分子の機能修飾化合物の選択(リード化合物/最適化)投与ルート検討剤型処方検討ADME 試験前臨床試験製法検討臨床試験(Ⅰ/Ⅱ/Ⅲ)薬事申請審査承認17 年特許登録承認申請製造GMP GLP GCP 承認