ブックタイトル創薬研究のための薬事と知財の連結戦略ガイド

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概要

創薬研究のための薬事と知財の連結戦略ガイド

522- 3 薬事データと知財データの連結的関係  医薬品の添付文書の情報は,薬事承認申請の際に作成された共通書式であるCTD(Common Technical Document)の情報の要約である.そこで,CTD を構成する各種試験データの内容を詳しくみると,薬事戦略と知財戦略の要素が連結されていることがわかるであろう.実際,各種試験で得られるデータを薬事データと特許データに整理してみると,図2-5 のように,CTD 分類に基づく多くの種類の薬事データのなかには,特許にするべきデータが共通して含まれていることがわかる.これをもとに,研究開発プロセスのなかの薬事戦略と知財戦略の関係を示したものが図2-6 である.薬事と知財の両戦略上で,同一のカテゴリーのデータ取得作業を連結して開発が進んでいることがわかるであろう.この関係を理解しておくと,各種試験でデータを取得する際に特許出願と薬事申請の両方に使用できるデータを作成していくという,効率のよい研究開発ができる.これがすなわち,知財戦略と薬事戦略を連結して考えるということである. とくに,研究管理者と研究者みずからが両方の戦略に使えるデータをとるこ図2 -5 医薬品の研究開発における薬事データと特許データの関係製剤・品質・規格〈GMP〉② 特許データ ( *が重要)① 薬事データ ( CTD) *化合物(リード・周辺・最適化)*製剤 *製法ADME評価法薬物動態学/ 薬力学(PK/PD)評価法安全性〈GLP〉評価法製造法〈GMP〉*製法薬効・薬理*適応症(効能・効果)評価法 *追加適応症臨床〈GCP〉*適応症(効能・効果)評価法 *追加適応症