visual core pharma
薬物治療学
改訂12版
吉尾 隆 ほか9名 編集
定価
9,900円(本体 9,000円 +税10%)
- B5判 930頁
- 2023年4月 発行
- ISBN 978-4-525-72102-2
薬物治療のスタンダードな教科書!
薬物治療学のスタンダードな教科書の改訂版!病態と主な治療薬の作用点をカラーイラストで示し,標準的な薬物治療を理解するために必要な臨床医学・薬学の基礎知識を解説.さらに第107回を含む過去の薬剤師国家試験の出題内容を反映し,改訂薬学教育モデル・コアカリキュラムにも対応.薬学生や薬剤師に大いに役立つ一冊.
- 序文
- 目次
序文
この度,visual core pharma 薬物治療学改訂12版を発刊することになりました.初版から11年が経過し,本書は薬学教育のなかで重要な役割を果たしていると考えています.
2022年はCOVID—19の感染対策が徐々に緩和され,大学における教育・研究が少しずつではありますが元の状態に戻りつつあるのではないでしょうか.
2016年度の診療報酬改定では,医薬品の適正使用の推進,ポリファーマシーの改善を目的とした薬剤総合評価調整加算,薬剤総合評価調整管理料が新設されました.これは,今後,薬学教育,薬剤師の臨床業務において,薬物治療学を学ぶことの重要性が益々重要となってきていることを示していました.
近年の新たな薬事関連の改定として,2021年8月1日の改正薬機法により,これまで医薬品等の製品に同梱されていた紙の添付文書は原則として廃止され,電子的な方法で添付文書情報を閲覧することになりました.ただし,改正薬機法の施行後も2年間(2021年8月1日から2023年7月31日まで)は,経過措置期間として電子的な提供と紙媒体の添付文書の同梱を並行して行うことが認められ,2023年8月1日からは電子的な方法のみで添付文書の提供が行われます.
これからは,医療現場で安全で適切な薬物治療を提供し,薬剤師がその専門性を発揮するためには最新の医薬品情報を効率よく収集するスキルも必要とされてることになります.したがって,今後は大量の医薬品情報を薬物治療へ適切に生かすための医薬品情報リテラシーが必要とされ,情報機器を利用して,知りたい医薬品情報にたどり着き,それを正しく有効に薬物治療に利用できる知識や能力が薬剤師に求められることから,薬物治療学に加え医薬品情報学が薬物治療を行う上で重要となります.また,今後,オンライン診療,電子処方箋,電子お薬手帳,オンライン服薬指導等の進展により,医療現場の電子化が促進され,地域の医療機関,薬局間における情報共有が,患者さんへの適切な治療の提供につながります.また,2022年度の診療報酬改定では,地域包括ケアシステムの推進のための取り組みとしてリフィル処方箋の使用が可能となり,症状が安定している患者さんに対して,医師の処方により,医師および薬剤師の適切な連携のもと,一定期間内に処方箋を反復利用できるリフィル処方箋の仕組みが設けられました.リフィル処方箋の対象患者は,「医師の処方により,薬剤師による服薬管理のもと,一定期間内に処方箋の反復利用が可能である患者」とされており,薬剤師による薬物治療学を基盤とした薬物治療の管理能力がさらに重要となります.
このような医薬品情報を含むさまざまな医療情報の電子化は,最適な医療,そして最適な薬物治療を提供するために益々進展していくと考えられます.そして,医薬品情報を適切に薬物治療に生かすためには,やはり薬物治療学を正しく学んでおくことが基本となることは,医療の電子化がどのように進展しても変わらないと考えられます.
今も昔も,適切な薬物治療の実施には,医師と薬剤師の協働の重要性に変わりはありません.そして,薬学における最も重要な学問として,薬物治療学が発展していかなくてはなりません.さらに,よりよい薬物治療と医療の実践を目指して本書が進化していくことを願っています.
2023年早春
編者を代表して
吉尾 隆
2022年はCOVID—19の感染対策が徐々に緩和され,大学における教育・研究が少しずつではありますが元の状態に戻りつつあるのではないでしょうか.
2016年度の診療報酬改定では,医薬品の適正使用の推進,ポリファーマシーの改善を目的とした薬剤総合評価調整加算,薬剤総合評価調整管理料が新設されました.これは,今後,薬学教育,薬剤師の臨床業務において,薬物治療学を学ぶことの重要性が益々重要となってきていることを示していました.
近年の新たな薬事関連の改定として,2021年8月1日の改正薬機法により,これまで医薬品等の製品に同梱されていた紙の添付文書は原則として廃止され,電子的な方法で添付文書情報を閲覧することになりました.ただし,改正薬機法の施行後も2年間(2021年8月1日から2023年7月31日まで)は,経過措置期間として電子的な提供と紙媒体の添付文書の同梱を並行して行うことが認められ,2023年8月1日からは電子的な方法のみで添付文書の提供が行われます.
これからは,医療現場で安全で適切な薬物治療を提供し,薬剤師がその専門性を発揮するためには最新の医薬品情報を効率よく収集するスキルも必要とされてることになります.したがって,今後は大量の医薬品情報を薬物治療へ適切に生かすための医薬品情報リテラシーが必要とされ,情報機器を利用して,知りたい医薬品情報にたどり着き,それを正しく有効に薬物治療に利用できる知識や能力が薬剤師に求められることから,薬物治療学に加え医薬品情報学が薬物治療を行う上で重要となります.また,今後,オンライン診療,電子処方箋,電子お薬手帳,オンライン服薬指導等の進展により,医療現場の電子化が促進され,地域の医療機関,薬局間における情報共有が,患者さんへの適切な治療の提供につながります.また,2022年度の診療報酬改定では,地域包括ケアシステムの推進のための取り組みとしてリフィル処方箋の使用が可能となり,症状が安定している患者さんに対して,医師の処方により,医師および薬剤師の適切な連携のもと,一定期間内に処方箋を反復利用できるリフィル処方箋の仕組みが設けられました.リフィル処方箋の対象患者は,「医師の処方により,薬剤師による服薬管理のもと,一定期間内に処方箋の反復利用が可能である患者」とされており,薬剤師による薬物治療学を基盤とした薬物治療の管理能力がさらに重要となります.
このような医薬品情報を含むさまざまな医療情報の電子化は,最適な医療,そして最適な薬物治療を提供するために益々進展していくと考えられます.そして,医薬品情報を適切に薬物治療に生かすためには,やはり薬物治療学を正しく学んでおくことが基本となることは,医療の電子化がどのように進展しても変わらないと考えられます.
今も昔も,適切な薬物治療の実施には,医師と薬剤師の協働の重要性に変わりはありません.そして,薬学における最も重要な学問として,薬物治療学が発展していかなくてはなりません.さらに,よりよい薬物治療と医療の実践を目指して本書が進化していくことを願っています.
2023年早春
編者を代表して
吉尾 隆
目次
Ⅰ章 総 論
薬物治療学概論
Ⅱ章 臨床検査値
臨床検査とは
Ⅲ章 疾患と薬物治療
心臓・血管系疾患
・不整脈
・心不全
・高血圧
・虚血性心疾患
・感染性心内膜炎・胸膜炎
血液・造血器系疾患
・貧血
・血栓・塞栓
・播種性血管内凝固症候群
・血友病
・白血病
消化器系疾患
・消化性潰瘍(胃・十二指腸潰瘍)
・胃食道逆流症
・胃炎
・潰瘍性大腸炎
・過敏性腸症候群
・肝炎・肝硬変
・薬剤性肝障害
・胆管炎・胆囊炎
・膵炎
・下痢・便秘
・悪心・嘔吐
腎臓・尿路疾患
・ネフローゼ症候群
・糸球体腎炎
・腎不全
・糖尿病腎症
・薬剤性腎症
・尿路感染症・腎盂腎炎
・過活動膀胱
・前立腺肥大症
呼吸器・胸部疾患
・慢性閉塞性肺疾患
・気管支喘息
・上気道炎(かぜ症候群)・急性気管支炎
・インフルエンザ
・肺炎
・間質性肺炎
・肺結核
内分泌系疾患
・甲状腺機能異常症
・副甲状腺機能異常症
・クッシング症候群
・アルドステロン症
・尿崩症
代謝性疾患
・糖尿病
・脂質異常症
・高尿酸血症・痛風
神経・筋疾患
・脳炎・髄膜炎
・脳血管疾患
・てんかん
・重症筋無力症
・パーキンソン病
・アルツハイマー病
・レビー小体型認知症
・慢性頭痛
精神疾患
・統合失調症
・うつ病・双極性障害
・心身症
・睡眠障害
・アルコール依存症
耳鼻咽喉疾患
・めまい・メニエール病
・アレルギー性鼻炎・花粉症
・中耳炎
皮膚疾患
・アトピー性皮膚炎
・皮膚真菌症
・薬疹
・乾癬
・褥瘡
眼疾患
・緑内障
・白内障
・結膜炎
骨・関節疾患
・骨粗鬆症
・関節リウマチ
アレルギー・免疫疾患
・アナフィラキシーショック
・後天性免疫不全症候群
・全身性エリテマトーデス
感染症
・全身性細菌感染症
・皮膚細菌感染症
・薬剤耐性菌感染症
薬剤師国家試験 出題問題対応表
薬物治療学改訂12版 主な改訂箇所一覧
薬物治療学概論
Ⅱ章 臨床検査値
臨床検査とは
Ⅲ章 疾患と薬物治療
心臓・血管系疾患
・不整脈
・心不全
・高血圧
・虚血性心疾患
・感染性心内膜炎・胸膜炎
血液・造血器系疾患
・貧血
・血栓・塞栓
・播種性血管内凝固症候群
・血友病
・白血病
消化器系疾患
・消化性潰瘍(胃・十二指腸潰瘍)
・胃食道逆流症
・胃炎
・潰瘍性大腸炎
・過敏性腸症候群
・肝炎・肝硬変
・薬剤性肝障害
・胆管炎・胆囊炎
・膵炎
・下痢・便秘
・悪心・嘔吐
腎臓・尿路疾患
・ネフローゼ症候群
・糸球体腎炎
・腎不全
・糖尿病腎症
・薬剤性腎症
・尿路感染症・腎盂腎炎
・過活動膀胱
・前立腺肥大症
呼吸器・胸部疾患
・慢性閉塞性肺疾患
・気管支喘息
・上気道炎(かぜ症候群)・急性気管支炎
・インフルエンザ
・肺炎
・間質性肺炎
・肺結核
内分泌系疾患
・甲状腺機能異常症
・副甲状腺機能異常症
・クッシング症候群
・アルドステロン症
・尿崩症
代謝性疾患
・糖尿病
・脂質異常症
・高尿酸血症・痛風
神経・筋疾患
・脳炎・髄膜炎
・脳血管疾患
・てんかん
・重症筋無力症
・パーキンソン病
・アルツハイマー病
・レビー小体型認知症
・慢性頭痛
精神疾患
・統合失調症
・うつ病・双極性障害
・心身症
・睡眠障害
・アルコール依存症
耳鼻咽喉疾患
・めまい・メニエール病
・アレルギー性鼻炎・花粉症
・中耳炎
皮膚疾患
・アトピー性皮膚炎
・皮膚真菌症
・薬疹
・乾癬
・褥瘡
眼疾患
・緑内障
・白内障
・結膜炎
骨・関節疾患
・骨粗鬆症
・関節リウマチ
アレルギー・免疫疾患
・アナフィラキシーショック
・後天性免疫不全症候群
・全身性エリテマトーデス
感染症
・全身性細菌感染症
・皮膚細菌感染症
・薬剤耐性菌感染症
薬剤師国家試験 出題問題対応表
薬物治療学改訂12版 主な改訂箇所一覧