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新・家庭医療専門医 ポートフォリオ実例集

改訂2版

北海道家庭医療学センター 草場鉄周 監修
弓削メディカルクリニック 滋賀家庭医療学センター 中村琢弥 編集
北海道家庭医療学センター 浅井東診療所/
名古屋大学大学院 医学系研究科 総合医学教育学 博士課程 
宮地純一郎 編集

定価

3,850(本体 3,500円 +税10%)


  • B5判  197頁
  • 2021年9月 発行
  • ISBN 978-4-525-20792-2

専門医試験に必要なポートフォリオを全領域実例で収載!

2020年から新しくなった家庭医療専門医制度.本書ではその認定試験で提出が求められるポートフォリオの全領域を実例で示し,記載のポイントや症例の選び方などを解説しています.
実例部分以外にもポートフォリオとレポートはどう違うのか,文章をどのように推敲していけばよいのかなど専攻医が疑問に思うようなポイントを掘り下げています.各領域のポイントを押さえ,評価基準(ルーブリック)と照らし合わせながら記載していきましょう.

  • 序文
  • 目次
序文
 「ポートフォリオは難しい,わからない」とよくいわれます.書く側からも教える側からも.それはなぜなのでしょうか? これまで筆記試験やOSCEなどの実技試験などには慣れている方でも,ポートフォリオという評価法は初めてという方がほとんどでしょう.しかも,単なる事例報告ではなく,「省察」が問われるということで,一層不安が増してくることかと思います.
 しかし,ポートフォリオは学び得たことを最も自然に表現するのに最適な評価法だといえます.筆記試験やOSCEで問われるのは膨大な知識や技能の一部ですし,結果はその時の体調や直前の経験に大きく影響されます.しかし,ポートフォリオは研修の間に得た経験全体から選択でき,なおかつ文献などを参考にしながら経験から得た学びを存分に記載することができるのです.何度も推敲できますし,指導医との対話からさらに理解を深める時間もあります.対話は指導医の暗黙知を言語化して伝達する貴重な場となります.
 家庭医・総合診療医としての診療のエッセンスには患者中心の医療,多疾患併存患者への診療,さらに地域志向のプライマリ・ケアなどが含まれますが,その多くは単純な知識でなく複雑な問題解決能力です.こうした能力の評価にもポートフォリオは最適といえるでしょう.英国やシンガポールなど諸外国における家庭医の専門医認定試験でポートフォリオが必須となっているように,その教育的な有効性は世界中で着実に認められつつあります.
 本書はそうしたポートフォリオをいかに記載し,いかに指導するか,学習者・教育者の双方を意識した内容となっています.今回,日本プライマリ・ケア連合学会の新・家庭医療専門医制度の創設に伴い,最新のエントリー項目に合致した内容に改訂すると同時に,各項目についても全面的に見直してアップデートしています.
 よき指導医との対話からよきポートフォリオが紡がれてきます.そうした対話のヒントが散りばめられたこの改訂版が,初版と同様に総合診療医としての基盤を構築する一助となれば何よりの喜びです.

2021年8月
北海道家庭医療学センター 
草場鉄周 
目次
Ⅰ章 ポートフォリオをつくるまえに
 ポートフォリオの意義:どうしてポートフォリオ?(孫 大輔)
 ポートフォリオの書き方(青木拓也)
 評価基準(ルーブリック)について(春田淳志)
 ポートフォリオの活かし方:生涯学習に活かすために(島薗洋介,宮地純一郎)

Ⅱ章 ポートフォリオ
 1.未分化な健康問題(佐古篤謙)
 2.予防医学と健康増進(髙木 博)
 3.慢性疾患のケア(長尾智子)
 4.多疾患併存(大浦 誠)
 5.長期的な全人的関係に基づくケア(岩間秀幸)
 6.患者中心の医療(孫 大輔)
 7.家族志向のケア(増山由紀子)
 8.地域志向のプライマリ・ケア(密山要用,漆畑宗介)
 9.障害とリハビリテーション(石川美緒)
 10.臨床における教育と指導(林 幹雄)
 11.EBMの実践(吉田秀平)
 12.チーム医療・ケアの調整や移行(弓野 綾)
 13.システムに基づく診療(深瀬 龍)
 14.メンタルヘルス(喜瀬守人)
 15.健康の社会的決定要因とアドボカシーおよびアクセス(吉田絵理子)
 16.医療者自身のケア(大竹要生)
 17a.複雑困難事例のケア(藤原和成)
 17b.統合されたケア(清水洋介,三浦太郎)
 18a.高いプロフェッショナリズムに基づく行動(玉木千里)
 18b.倫理的に困難な意思決定を伴う事例のケア(福井慶太郎)
 19a.セクシャルヘルス/性を考慮したケア(安来志保)
 19b.思春期のケア(三澤美和)
 20a.緩和ケア(井口真紀子)
 20b.人生の最終段階におけるケア(大杉泰弘)

Ⅲ章 ポートフォリオ作成プロセスモデル集
 日々の継続的なケースログから抽出して作成する(春田淳志)
 定期的な振り返りから作成する(安藤高志)
 追い込み型で作成する(村井紀太郎)

Ⅳ章 Q&A
 いい症例がみつからないときは?(喜瀬守人)
 どのエントリー項目で書けばよいのか迷ってしまう(齋木啓子)
 文章が足りないときはどうしたらよい?(渡邉隆将)
 文章が長すぎてしまう,だらだらと書いてしまうときは?(樫尾明彦)
 文章を校正するコツ,わかりやすい文章にするには?(青木拓也)
 指導医に時間を取って見てもらえないときは?(勝又聡彦)
 参考にすべき本はありますか?(孫 大輔)

付録 より深く勉強するための文献リスト
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