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カテゴリー: 臨床看護学  |  産婦人科学

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Breastfeeding for a medical profession

マンガでわかる

母乳育児支援ケーススタディ

1版

昭和大学江東豊洲病院小児内科 教授 水野克己 著

定価

3,300(本体 3,000円 +税10%)


  • B5判  116頁
  • 2017年2月 発行
  • ISBN 978-4-525-50381-9

母乳育児支援の「はじめの一歩」を踏み出すあなたへ
「どうすればいい!?」に答えます

母乳外来にて母乳育児支援に情熱を燃やす新米の「助産師山田さん」の奮闘物語!母乳育児中によくある乳頭痛や乳房トラブルなど全12ケースをとりあげて,マンガと対話形式の文でわかりやすく対応法を解説.写真も多く,目で見て理解できる.楽しく読み進めるうちに大事なポイントがわかること間違いなし!母乳相談のお困りごとにこの1冊!

  • 目次
  • 序文
目次
・プロローグ
・Case 1 助産師山田,母乳外来の扉をたたく!~帝王切開のケース~(やよいさん)
・Case 2 糖水・人工乳を足す?足さない?~産後早期の乳房緊満~(ひろこさん)
・Case 3 授乳の基本はリラックス♪~授乳姿勢~(みどりさん)
・Case 4 授乳後に感じる焼けるような痛み~レイノー現象~(由香さん)
・Case 5 授乳中のチクチクする痛み~乳管閉塞・白斑~(美恵さん)
・Case 6 水疱ができた~カンジダ感染~(くるみさん)
・Case 7 ピリピリして痛い!~MRSA(細菌感染)~(香織さん)
・Case 8 おっぱいの奥が痛い~ブドウ球菌感染~(あさみさん)
・Case 9 赤ちゃんの口腔内観察も忘れずに!!~舌小帯短縮症~(つぐみさん)
・Case 10 おっぱいをあげるのがつらい~育児不安とバブルパレート~(真紀さん)
・Case 11 痛痒い,乳頭の周りに広がる湿疹~接触性皮膚炎~(宏美さん)
・Case 12 月齢が経ってからのトラブル~乳腺炎と乳頭損傷~(亜里沙さん)

・エピローグ

【Point】
・帝王切開で生まれた赤ちゃんに関する留意点
・帝王切開となったお母さんと赤ちゃんのSTSの留意点
・生まれた赤ちゃんの血糖値測定の留意点
・空腹のサイン
・病的黄疸を防ぐために
・おっぱいをあげるときの痛みについて確認すべき点
・レイノー現象のいろいろ
・舌小帯短縮症とは?
・バブルパレートとは?
・1ヵ月健診で確認したいこと
・乳頭の裂傷

【Column】
・お母さんとよい関係を築くために知っておきたいこと
・ハンズ・オンとハンズ・オフ
・オキシトシンは幸せホルモン
・授乳中のおっぱいのスキンケア
・授乳中の服薬に関しての安全性
・手動搾乳器と電動搾乳器
・オキシトシンの損傷治癒促進効果

【山田memo】
・無呼吸をお母さんにみつけてもらうためにどのように説明したらいいか?
・授乳に関して必須の確認事項
・母乳育児支援の基本
・浅飲みの赤ちゃん
・レイドバックの具体的な方法
・レイノー現象のまとめ
・白斑(乳管閉塞)とは?
・カンジダ感染と水疱
・MRSA(細菌感染)
・痛み,の原因が感染症だったケース
・事前に診療録から確認したこと
・舌小帯短縮症への対応策
・耐えられない乳頭痛への対策
・バブルパレートへの対応のまとめ
・接触性皮膚炎のまとめ
・乳腺炎フローチャート
・裂傷予防と気が散る赤ちゃんへの対策

【参考】
・リバース・プレッシャー・ソフトニング(RPS)
・ベビー・レッド・ブレストフィーディング
・乳管閉塞への具体的な対処方法
・乳頭の水疱
・舌小帯を切らない場合の授乳の進め方
・育児不安を軽減するために
・出産早期に人工乳首やおしゃぶりを使用したことによる乳頭痛
序文
 母乳育児支援とは,赤ちゃんにおっぱいをあげて育てるお母さんを支援することです.母乳育児支援の際に必要なことは大きくわけて二つありますが,本書は,読み進めるうちにそれらが学べるように作られています.
 一つには,母乳育児に関する医学的知識です.
 一般的な診療では,基礎医学の知識を使ってアセスメントし,必要な検査を行って診断に結び付けます.母乳育児に関するトラブルを解決する際も,一般の診療と同様に行うことが大切ですが,母乳育児はまだ学問としてまとまっていません.そのため,自分の経験や先輩から教えてもらった知識を中心に対応することも少なくありません.それで対応できることもたくさんあるでしょうが,それだけでは不十分なこともあると思われます.母乳育児に関するトラブルを抱えたお母さんが助けを求めていらした際に,本書に記載されている根拠に基づいた医学的知識が役立てば幸いです.
 二つめは,母乳育児外来にいらっしゃるお母さん方とのやりとりです.ひとくちに乳房トラブルといっても,ひとりひとり違った症状を示しています.まずお母さんの訴えを傾聴し,オープンエンドクエスチョンを用いて,診断につながる症状を丁寧に伺います.そのうえで,乳房・乳頭,ならびに授乳している様子を見せていただくことが母乳育児支援すべての基本になります.もちろん赤ちゃんの観察(全身・口腔内ともに)も忘れずに行うことが大切です.
 母乳育児支援ではこの二つのことを土台としています.すなわち,自分が観察して得た情報と,お母さんから得た情報とを,医学的な知識を用いて診断・治療に結び付けていきます.また必要と判断したら,他職種との協働も忘れてはなりません.さらにそこから一歩踏み込んで,お母さんの不安に寄り添い,アセスメントしてわかったこと,それに関する医学的情報,さらには対策までを,わかりやすくお伝えするスキルも重要です.
 本書では,母乳育児支援の専門家を目指す助産師山田さんが,私すなわち小児科医水野と一緒にこれらのことを学び,経験を積みながら成長していく過程を描いています.読みやすくするため漫画もたくさん入れていただきました.なお,『母乳育児学』,『母乳育児支援講座』(ともに南山堂)に,基礎医学に基づいた知識をより多く記載していますので,それらもあわせて役立てていただけますと幸いです.
 最後になりますが,この場をお借りしてご協力いただいた赤ちゃんとお母さんに深く感謝申し上げます.
 さあ,一緒にすべての親子に笑顔を届けましょう!

2016年12月吉日
昭和大学江東豊洲病院 小児内科
水野克己
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