南山堂

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カテゴリー: 放射線医学/核医学

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診療放射線技術選書

放射線生物学

改訂4版

九州大学 名誉教授 増田康治 編集

定価

2,420(本体 2,200円 +税10%)


  • A5判  129頁
  • 2002年9月 発行
  • ISBN 978-4-525-27814-4

2001年4月の大綱カリキュラム変更に伴い改訂をしました.今回の改訂では新知見の導入と,内容の全面的な見直しによるスリム化を心掛け,「放射線生物学」に求められる必要最小限の記述とし,新たに各章の初めにサマリーを設け,その章の重要事項を簡潔に記載し,本文中では国家試験に関連した重要な用語を色文字で記述し,3版にも増してわかり易くしました.

  • 序文
  • 目次
序文
 初版から30年,最終版からも7年経過した本書を,このたび改訂することにした.改訂のねらいは,基本的な構成には修正を加えないが,最近とみに進展がみられた放射線生物作用の機序や細胞に対する放射線の作用の項などに最新情報を取り入れること,ならびに診療放射線技術選書の一つとして,他と体裁を合わせると共に,診療放射線技師を志す学生のための教科書として相応しく,過度に詳細であったと思われる部分を削除し,全体としてボリュームを圧縮したことである.より多くの学生諸君に利用していただくために,最新の情報は十分に含めつつ,必要にして十分な内容とすることで学生の入手し易い価格に押さえることを心掛けた.
 なお修正不用の個所は3版のままとした.その関係上 3版の著者の1人である佐々木弘氏の執筆個所も原文のまま使わせていただいた部分もある.本書が,放射線を安全にかつ有効に利用する上での理論武装のための資料として,診療放射線技師を志す学生のための教科書として受け入れられ役立つことを願っている.

2002年6月 編者 しるす
目次
1.序  論
1.歴史的背景
2.今日の放射線生物学の役割

2.放射線生物作用の機作
 A.放射線生物作用の特徴
 B.ヒット理論
 C.放射線感受性のLET依存
 D.放射線の間接作用
1.直接作用と間接作用
2.水の放射線分解
 E.放射線感受性の修飾
1.希釈効果
2.酸素効果
3.低酸素細胞増感剤
4.防護効果
5.温度効果
 F.DNAの損傷と修復
1.DNA分子
2.DNAの損傷
3.DNA修復機構
4.損傷部位特異的な酵素系
    1) 光回復酵素
    2) DNAグリコシラーゼ類
    3) APエンドヌクレアーゼ
    4) アルキルトランスフェラーゼ
5.ヌクレオチド除去修復系
6.ミスマッチ修復系
7.組換え修復
8.DNA修復欠損に関連するヒトの疾患

3.細胞に対する放射線の作用
 A.細胞の放射線感受性
1.培養哺乳動物細胞
2.移植腫瘍細胞
3.骨髄細胞
4.小腸腺窩細胞
5.皮膚上皮細胞,その他
 B.細胞周期に対する放射線の影響
1.細胞周期
2.放射線感受性の細胞周期依存
 C.細胞増殖への作用
1.細胞の異常および死
2.分裂遅延
   a.細胞周期とDNA損傷チェックポイント
   b.ヒト細胞におけるDNA損傷チェックポイント機構
3.増殖曲線
 D.放射線損傷の回復
1.亜致死損傷の回復
2.潜在致死損傷の回復
3.放射線と染色体異常
 E.放射線誘発突然変異
 F.放射線発癌

4.組  織
 A.放射線感受性
 B.障害発生機序
 C.各組織の反応
1.中枢神経系
2.腸 管
3.造血臓器
4.皮 膚
5.粘 膜
6.心臓と血管
7.肺
8.腎
9.生殖腺

5.ヒトおよび個体に対する放射線の影響
 A.序
 B.線量評価
1.R, rad, Gy
2.RBE, Svとrem
3.カーマ
 C.被曝した個体にみられる障害
1.急性放射線障害
   a.個体死
    1) 脳死
    2) 腸管死
    3) 造血臓器死
    4) LD↓50↓
    5) 線量効果関係修飾因子
    6) 急性1回大線量被曝時の予後
   b.死以外の早期の身体的影響
2.晩発性放射線障害
   a.悪性腫瘍の発生
    1) 白血病
    2) 甲状腺癌
    3) 乳癌
    4) 肺癌
    5) 骨腫瘍
    6) その他の悪性腫瘍
    7) まとめ
   b.寿命短縮
c.白内障
   d.再生不良性貧血
 D.子宮内被曝でみられる障害
1.障害の種類
   a.致死効果
   b.成長阻害
   c.奇 形
2.障害発生率修飾因子
3.着床前期の障害
a.致死効果
   b.成長阻害
   c.奇 形
4.器官形成期の障害
   a.致死効
   b.成長阻害
   c.奇 形
    1) 種類
    2) 誘発率
    3) 奇形誘発率修飾因子
5.胎児期の障害
   a.致死効果
   b.成長障害
   c.奇 形
   d.発 癌
   e.その他
6.障害防止のために
 E.遺伝的障害
1.染色体異常
   a.放射線誘発染色体異常の種類
    1) 欠失
    2) 重複
    3) 転座
    4) 逆位
   b.ヒトの染色体異常による疾患
    1) 胎内早期死亡
    2) 流産
    3) 染色体の不分離現象に由来する疾患
  c.放射線による人の染色体異常誘発の根拠
    1) 子供の性比
    2) 流産
    3) ダウン症
    4) 染色体異常
   d.線量効果関係
   e.線量効果関係修飾因子
    1) 放射線線質
    2) 線量率
    3) 分割照射
    4) 動物の種類
    5) 細胞周期依存性
    6) 細胞の種類
    7) その他
2.点突然変異
   a.遺伝子異常による疾患
   b.ヒトでの放射線誘発点突然変異
   c.実験動物にみられる点突然変異率
   d.線量効果関係
   e.線量効果関係修飾因子
    1) 放射線線質
    2) 線量率
    3) 分割照射
    4) 動物の種類
    5) 年齢
    6) その他
3.遺伝的障害の評価
 F.放射性同位元素による生物学的作用
1.放射性同位元素源
2.放射性同位元素による障害例
3.内部被曝と外部被曝とのちがい
   a.線量分布
   b.線量評価
   c.線量率
   d.障害誘発の原因は放射線のみか
4.人体への吸収と排泄
   a.吸 収
   b.沈 着
   c.決定臓器と関連臓器
   d.排 泄
   e.代表的放射性同位元素の代謝
5.危険度の評価
 G.線量効果関係
1.閾値がない型
2.閾値がある型
 H.放射線障害の特徴
   a.線量の大きさによって障害の種類が異なる
   b.障害の種類,発現様式に特異性がない
   c.障害発現の危惧からはいつまでも逃れられない
   e.放射線は身体的に残らない
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