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カテゴリー: 神経学/脳神経外科学

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症例から学ぶ戦略的急性期脳卒中診断・治療

1版

大阪市立大学大学院医学研究科 神経内科学 教授 伊藤義彰 編

定価

5,500(本体 5,000円 +税10%)


  • B5判  254頁
  • 2019年4月 発行
  • ISBN 978-4-525-24931-1

リアルな脳卒中マネジメントを体感せよ!

急性期の脳卒中診療において,考えながら治療していくことは重要である.本書では臨場感のある症例を多彩に収載している.また.サイドメモ欄に補足を多く掲載しておりエキスパートの思考法も学べ,まさに考えながら学べる書籍となっている.

  • 目次
  • 序文
目次
総 論
 Ⅰ戦略的脳卒中診察
  A 脳卒中が疑われる症例での病歴聴取
  B 診察の仕方:意識障害のある患者をどう診るか
  C NIHSS(National Institutes of Health Stroke Scale)
  D 病巣診断
 Ⅱ戦略的脳卒中検査
  A 脳卒中の検査手順
  B 脳梗塞
  C 脳出血
  D くも膜下出血
 Ⅲ戦略的脳卒中治療
  A 脳梗塞の戦略的治療
  B 脳出血の戦略的治療
  C くも膜下出血の戦略的治療
症 例
 Ⅰ脳梗塞
  Case 1 失語発症から46 分後に搬送となり,超急性期脳梗塞の診断でrt―PA 静注療法を行い,著効した症例 71 歳,女性
  Case 2 急性期心原性脳塞栓症に対して機械的血栓回収療法を実施した症例 74 歳,女性
  Case 3 心原性脳塞栓症:抗凝固療法中に起きた脳塞栓症症例 74 歳,男性
  Case 4 アテローム血栓性脳梗塞:外減圧術施行症例 64 歳,男性
  Case 5 抗血小板剤抵抗性の不安定プラークを伴う症候性右頸部頸動脈狭窄に対し頸動脈内膜剝離術(CEA)を施行した症例 72 歳,男性
  Case 6 片麻痺症状で発症した対側閉塞を伴う頸部頸動脈高度狭窄症例 77 歳,男性
  Case 7 めまい症状を繰り返した進行性椎骨動脈狭窄症例 63 歳,男性
  Case 8 アテローム血栓性脳梗塞 62 歳,男性
  Case 9 アテローム血栓性脳梗塞 72 歳,男性
  Case 10 branch atheromatous disease により麻痺症状の動揺を呈した症例 70 歳,女性
  Case 11 緩徐に進行するラクナ梗塞を発症した症例 62 歳,男性
  Case 12 総頸動脈高度狭窄によりTIA を繰り返した症例 80 歳,男性
  Case 13 高度の脱水が誘引と考えられた脳静脈洞血栓症の症例 69 歳,男性
  Case 14 上部内視鏡検査中に発症した奇異性脳塞栓症の症例 76 歳,男性
  Case 15 椎骨動脈解離によるOpalski 症候群を呈した症例 54 歳,女性
  Case 16 トルソー症候群 69 歳,女性
  Case 17 可逆性脳血管収縮症候群 62 歳,女性
  Case 18 塞栓源の同定に苦慮した脳塞栓症 67 歳,男性
  Case 19 脳梗塞を繰り返し高度の白質病変を呈した症例 65 歳,女性
 Ⅱ脳出血
  Case 1 抗凝固療法中に発症した小脳出血の症例 77 歳,女性
  Case 2 内視鏡下脳内血種除去術を施行した被殻出血の症例 48 歳,男性
  Case 3 アルツハイマー型認知症で通院中に発症した皮質下出血発症の症例 86 歳,女性
  Case 4 抗血栓薬内服中の高血圧性脳内出血 70 歳代,男性
  Case 5 透析患者の脳出血 61 歳,女性
  Case 6 妊娠12週に脳室内出血で発症したもやもや病の症例 30 歳,女性
  Case 7 脳室内出血で発症したもやもや病の症例 43 歳,女性
  Case 8 出血で発症した脳動静脈奇形の症例 11 歳,男児
 Ⅲくも膜下出血
  Case 1 頭痛を自覚した2 日後に,意識障害で発症したくも膜下出血の症例 59 歳,女性
  Case 2 クリッピング術23 年後,再発動脈瘤破裂によるくも膜下出血 70 歳,女性

索 引
序文
 脳卒中急性期は,“Time is Brain”といわれるように刻一刻と脳細胞が失われていくため,いかに早く診断し,治療していくかというスピード感が求められます.検査にしても,頭部CT を取るのか,MRI/MRA が必要かの判断が求められますし,治療も血栓溶解療法なのか,血栓回収療法でいくのか,即時に決断しなければなりません.このような実戦での迅速な対応のためには総論的知識では歯が立たず,日頃から症例ベースでのケーストレーニングが不可欠です.脳卒中専門医はじめ脳卒中の臨床に携わる医師は,病態についての深い理解とともに最新のエビデンスを整理しておき,それぞれの症例でどう活用するのか,よくシミュレーションしておく必要があります.
 こうした中でシリーズ「症例から学ぶ」に新たに「急性期脳卒中」の分野が加わることになりました.本書は,脳梗塞,脳出血,くも膜下出血にわけて,それぞれの代表的な病型,病態が一通り網羅されるように症例を選択しました.各症例の提示は,病歴聴取,身体診察・神経診察,一般検査・画像検査,そして治療と進んでいく過程を段階ごとに,実践的な注釈を加えながら展開し,最後に総論的な解説を付け加えるスタイルで構成されています.特にMRI,CT,血管撮影,脳血流シンチグラフィと画像をふんだんにとりいれビジュアルな症例提示を重視しました.実践のケーストレーニングには最適な構成です.
 執筆にはまさに脳卒中の第一線で活躍されている先生方,また現場で若手を指導されている先生方にお願いし,最新の実臨床の情報をもとにご執筆いただきました.本書は外科・内科を問わず脳卒中診療に携わる多くの先生方に,必ずお役に立てていただけるものと確信いたしております.迅速な対応が迫られる割には難題が多い脳卒中の実臨床において,本書の「戦略」が問題解決の一助となることを切望いたします.

2019年2月
大阪市立大学大学院医学研究科 神経内科学
伊藤義彰
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