ブックタイトル薬局6708

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概要

薬局6708

薬 局 2016 Vol.67, No.8 2443 9そもそもDDIとは?実地医療において,2種以上の薬物が同時に処方されることはしばしばみられる.通常は,個々の薬物の体内動態や薬効発現は,他の薬物の投与の有無にかかわらず一定であると考えるが,時に単剤で投与したときと比較して,ある特定の薬が併用された場合においてのみ,体内動態や薬効・副作用の発現強度が異なる場合がある.そのような状況を総称して薬物相互作用(DDI)と呼んでいる.特にDDIで臨床上問題となるのは,被相互作用薬の薬効の低下による治療効果の減弱や,薬効の過度な増強や副作用に起因する有害事象の発現が挙げられる.通常DDIでは,複数の薬物間での相互作用を考えるが,相互作用を引き起こすものとしては,ほかにもサプリメントや嗜好品(飲酒・喫煙など)・食品中の成分,製剤添加物なども知られており,臨床におけるDDIの潜在的なリスク評価のためには,患者より多岐にわたる情報を収集する必要がある.DDIは,その機序により下の2つのカテゴリに大別される.① 薬物動態学的相互作用:薬物の体内における吸収・分布・代謝・排泄(ADME)過程の変動を介して起こる相互作用で,被相互作用薬の血中濃度や臓器中濃度の時間推移に影響を与えることで,薬効・副作用の変動が引き起こされるケース.② 薬力学的相互作用:同一もしくは類似の薬効標的に対して作用する薬物同士の間DDIとは,ある薬物が特定の薬や食品などと併用された場合にのみ,体内動態や薬効・副作用の発現強度が異なる場合を指す.DDIは,薬物動態学的相互作用と薬力学的相互作用に大別され,特に前者は,同一機序の薬の組み合わせが極めて多様である.DDIは,薬物同士の物理化学的な相互作用によるものと,代謝酵素・トランスポーターなどタンパク分子との相互作用の変動によるものがある.DDIには可逆的なものと不可逆的なものがあり,後者の場合,併用薬物が体内から消失後もDDIの効果は持続することに注意が必要である.DDIは,被相互作用薬の体内動態特性を決定する要因となる場所すべてで起きうることを理解しておく必要がある.前田 和哉東京大学大学院薬学系研究科 分子薬物動態学教室 講師DDIはどのように起きるのですか?■ DDIの基本とピットフォール! エキスパートが答えるQ&A ?? ?Feature | 薬物相互作用