ブックタイトル薬局6708

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概要

薬局6708

薬 局 2016 Vol.67, No.8 2583 149はじめに抗悪性腫瘍薬は,ほとんどの場合に高用量で用いられるため,副作用が出現しやすい.そして,副作用が出現する背景には,薬物動態に関連する肝機能や腎機能の低下,薬物相互作用(DDI)が存在することが多い.抗悪性腫瘍薬におけるDDIでは,多剤併用療法による毒性増強といった薬力学的なDDI,シトクロムP450(CYP)3Aを介したDDIが多く報告されている1).本稿では,骨髄抑制,末梢神経障害が問題となるボルテゾミブ,ビンカアルカロイド系薬について解説する.ボルテゾミブ1 がん治療における位置づけボルテゾミブは,強力で可逆的かつ選択的なプロテアソーム阻害薬であり,がん細胞の複数のシグナル伝達経路を阻害することで,細胞周期の停止,増殖抑制,血管新生抑制,アポトーシス誘導を引き起こし,直接的な抗腫瘍効果を発揮する.効能効果は,多発性骨髄腫およびマントル細胞リンパ腫であり,多発性骨髄腫に対しては,未治療の症例,再発または難治性の症例に使用できる(表1).2 動態特性薬物動態特性を表1に示す.静脈投与時は皮下投与時に比べ最高血中濃度到達時間抗悪性腫瘍薬は高用量で用いられるため,薬物相互作用により副作用が重篤化しやすい.ボルテゾミブとCYP3A阻害薬を併用する際は,ボルテゾミブによる末梢神経障害と血小板減少に注意する.ボルテゾミブの用法・用量は,副作用による休薬基準,再投与時の減量基準に従い決定する.ビンカアルカロイド系薬剤とCYP3A阻害薬を併用する際は,骨髄抑制の悪化,末梢神経障害,自律神経障害に注意する.ビンカアルカロイド系薬剤を使用する際は,併用している抗てんかん薬の血中濃度やワルファリン治療におけるPT-INRを定期的に確認する.岩本 卓也三重大学医学部附属病院 薬剤部 准教授・副薬剤部長抗悪性腫瘍薬(ボルテゾミブ,ビンカアルカロイド系)■ 治療域が狭い・副作用が出やすい薬剤におけるDDIマネジメントの実践例! ?? 10Feature | 薬物相互作用