ブックタイトル薬局6708

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概要

薬局6708

130 2564 薬 局 2016 Vol.67, No.8はじめにメトトレキサート(MTX)は,核酸やいくつかのアミノ酸の合成に必要なジヒドロ葉酸還元酵素を阻害する葉酸代謝拮抗薬であり,がん化学療法や関節リウマチの治療などに用いられる薬剤である.がん化学療法では,MTXの大量投与後にホリナートカルシウム(ロイコボリンR)を毒性軽減のために投与するMTX・ホリナートカルシウム救援療法が肉腫や急性白血病,悪性リンパ腫に広く用いられている.ホリナートカルシウムは,生体細胞内で容易に活性型葉酸に変換される還元型葉酸であり,毒性量をはるかに上回る量のMTXが投与されて枯渇している還元型葉酸を補充し,抑制されていた細胞増殖を正常に戻すことにより正常細胞を救援する作用を有する.また,MTXは世界的に最もよく用いられている抗リウマチ薬であり,関節リウマチ治療におけるアンカードラッグと位置づけられている.その投与方法は,骨髄抑制を防ぐために週1~2日投与して5日以上の休薬期間を設ける低用量間欠投与である.MTXによる骨髄機能抑制や肝・腎機能障害などの重篤な副作用は,血中MTX濃度が高値で持続した場合にその発現リスクが上昇することが知られている.MTXの薬物相互作用において,特にMTXの排泄遅延と関連した副作用発現が多く報告されており,実際に医療現場で問題となることがある.本稿では,MTXの薬物相互作用について症例報告や臨床研究の結果を示しながら解説したい.メトトレキサートの薬物相互作用は,尿細管分泌過程にかかわる薬物トランスポーターを阻害する薬剤の併用によるものが多い.メトトレキサートと非ステロイド性抗炎症薬や抗菌薬の併用により,重篤な副作用を発現した症例が報告されている.併用薬やコーラによる尿の酸性化は,尿中でメトトレキサートの結晶が析出して急性の腎障害を引き起こすおそれがある.メトトレキサートの排泄遅延により,危険限界を超えた血中濃度が持続した場合に重篤な副作用の発現する危険性が高くなる.メトトレキサート大量療法では,血中メトトレキサート濃度のモニタリングが必要である.土岐 浩介筑波大学附属病院 薬剤部 講師・副薬剤部長メトトレキサート■ 治療域が狭い・副作用が出やすい薬剤におけるDDIマネジメントの実践例! ?? ?