ブックタイトル薬局6708

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概要

薬局6708

122 2556 薬 局 2016 Vol.67, No.8はじめに薬物相互作用は一般的に薬物動態学的相互作用と薬力学的相互作用に分類される.抗てんかん薬の薬力学的相互作用として代表的なものは,Naチャネルを介した相互作用である.フェニトイン,カルバマゼピン,ラモトリギン,lacosamide(2016年販売予定の新規抗てんかん薬)はNaチャネルに作用して,てんかん発作を抑制する.実臨床では同じイオンチャネルに作用する抗てんかん薬を組み合わせることがあり,優れた臨床効果が得られる場合もあるが,逆に中枢神経系の有害事象が増強することもある.一方,薬物動態学的相互作用は薬物の吸収,分布,代謝,排泄が併用薬によって変化して血中濃度が変動する現象を指す.てんかんの薬物治療において最も注意すべき相互作用は,肝薬物代謝酵素の誘導および阻害である.本稿では,臨床で問題となる抗てんかん薬の薬物動態学的相互作用について重点的に解説する.抗てんかん薬による酵素誘導抗てんかん薬の中でフェニトイン,フェノバルビタール(プリミドンを含む),カルバマゼピンはシトクロムP450(CYP)およびUDP―グルクロノシルトランスフェラーゼ(UGT)の強力な誘導薬である.これら3剤の酵素誘導能を比較した場合,フェニトインの作用が最てんかんの薬物治療において最も注意すべき薬物相互作用は,肝薬物代謝酵素の誘導および阻害である.フェニトイン,フェノバルビタール,カルバマゼピンはシトクロムP450(CYP)およびUDP―グルクロノシルトランスフェラーゼ(UGT)の強力な誘導薬である.ラモトリギン,トピラマート,ゾニサミド,クロバザム,ペランパネルは酵素誘導の影響を受けやすく,誘導薬を追加または中止すると血中濃度が大きく変動する.トピラマートとoxcarbazepineは弱いCYP2C19阻害作用を有する.フェニトイン服用患者にこれら抗てんかん薬を導入する際は血中濃度を確認する.バルプロ酸はUGTの阻害薬,スチリペントールはCYPの阻害薬である.酵素の阻害によって有害事象の発症リスクが上昇するが,相乗的な臨床効果が得られることもある.山本 吉章国立病院機構静岡てんかん・神経医療センター 治験管理室 主任抗てんかん薬■ 治療域が狭い・副作用が出やすい薬剤におけるDDIマネジメントの実践例! ?? ?