ブックタイトル薬局6708

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概要

薬局6708

薬 局 2016 Vol.67, No.8 2553 119はじめにトリアゾール系抗真菌薬は深在性真菌症の治療に用いられる.わが国で使用可能な全身性のトリアゾール系抗真菌薬としてフルコナゾール,イトラコナゾールおよびボリコナゾールが挙げられる.トリアゾール系抗真菌薬は真菌のシトクロムP450(CYP)を阻害し,エルゴステロールの合成を阻害する薬剤である.トリアゾール系抗真菌薬はヒトのCYPにも影響し,主にCYP3A4で代謝される薬剤の血中濃度を上昇させる.また,トリアゾール系抗真菌薬自身もCYP3A4阻害により影響を受ける.本稿ではトリアゾール系抗真菌薬の体内動態の特徴と臨床使用に際して注意すべき相互作用を述べる.また,ミコナゾールゲルとワルファリンを併用した症例について,その薬物相互作用の影響を示す.イトラコナゾールイトラコナゾールは,アスペルギルス属やフルコナゾール低感受性のCandida glabrataやC. kruseiに対しても活性を有し,忍容性も優れる.イトラコナゾールの抗真菌活性の評価については,イトラコナゾールおよび主要代謝物である水酸化イトラコナゾールの血漿中濃度が重要である.イトラコナゾール内用液はカプセル剤における難溶解性を改善した薬剤ではあるが,カプセル剤と同様に,イトラコナゾールの血漿中濃度に大きな個体間変動が報告されている1, 2).また,血漿中濃度の上昇による副作用発現も確認されている3).そのため,イトラコナゾールの使用にあたっては,薬物相互作用のみならず,イトラコナゾール自体の血中濃度も考慮することが重要である.イトラコナゾールは主に肝臓で代謝され30種類以上の代謝物が確認されている4).主要な代謝経路は,小腸または肝臓のCYP3Aトリアゾール系抗真菌薬のCYP3A4阻害効果は強く,体内動態に影響を受ける薬物は多岐にわたる.トリアゾール系抗真菌薬自体もCYP3A4阻害による影響を受け,その体内動態は変動する.トリアゾール系抗真菌薬の併用に際しては薬剤変更の考慮も必要となる.見野 靖晃浜松医科大学医学部附属病院 薬剤部 薬剤主任トリアゾール系抗真菌薬■ 治療域が狭い・副作用が出やすい薬剤におけるDDIマネジメントの実践例! ?? ?Feature | 薬物相互作用