ブックタイトル薬局6708

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概要

薬局6708

薬 局 2016 Vol.67, No.8 2521 87はじめに本誌特集の「臨床現場でのDDIマネジメントの即戦力! PISCS を使いこなす!」の①(p 66)と②(p 76)では,薬物動態学的相互作用の中で,シトクロムP450(CYP)の活性変動による基質薬の血中濃度の変化について網羅的に精度良く予測する方法について解説している.これは予測のためのパラメータとして,CYPの基質薬のクリアランスへの寄与率(CR)と阻害薬の阻害率(IR),あるいは誘導薬によるクリアランスの増加(IC)を用いて,これらの薬剤のどのような組み合わせであっても,阻害および誘導による薬物間相互作用による基質薬の血中濃度AUCの変化をそれぞれ以下の式で予測するものである1, 2).……式1……式2さらに,この予測方法に基づいて薬剤を層別化することで,網羅的に臨床的重要性を考慮して相互作用を注意喚起する方法(PharmacokineticInteraction Significance Classification System : PISCS)についても解説している3).ただし,PISCSは筆者らの提言する注意喚起の方法論であるが,相互作用のマネジメントとは決して同義ではないことに注意されたい.PISCSは相互作用のマネジメントにおいて,その考え方も取り入れていただきたいという位置づけである.AUC+inhibitorAUCcontrol11-CR・IR =AUC+inducerAUCcontrol11+CR・IC =薬物相互作用のマネジメントにおいては,臨床薬学あるいは医学的な知識や理論に基づき,用量調節や代替薬への変更などの適切な手段を選択する必要がある.相互作用を回避するために代替薬を検討する際には,薬剤間の相違を十分に把握することが必要となる.その薬物療法を行うこと自体を見直すということも,大切な相互作用マネジメントの一つである.薬物相互作用のマネジメントはエビデンスが少なく,診療ガイドラインなどの情報も少ない領域である.薬物相互作用のマネジメントにおいては,理論的な予測と臨床的重要性の評価を個別に行う必要がある.そのためには,PISCSのような相互作用リスクの理論的かつ定量的な考え方が必要となる.大野 能之東京大学医学部附属病院 薬剤部 助教・副薬剤部長PISCSによるDDIマネジメントの実践■ 臨床現場でのDDIマネジメントの即戦力!PISCSを使いこなす! ?? ?Feature | 薬物相互作用