ブックタイトル薬局6708

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概要

薬局6708

66 2500 薬 局 2016 Vol.67, No.8CR―IR法とPISCSの背景筆者らが薬物相互作用の研究に取りかかった10年くらい前のことであるが,ある研究者から研究の目的を聞かれたので「すべての血中濃度が変化する相互作用を予測可能にすること」と答えたところ,へぇーっと怪訝な顔をされたのを覚えている.In vitroの情報から相互作用の程度を予測することは,その頃も普通に行われていたが,すべての組み合わせとなるとその人には達成可能な目的とは思えなかったようである.一方で,この研究を進めて今のPISCSの枠組みを最初に発表したシンポジウムでは,大先輩の先生から「そのような情報は医療の現場からはノイズになるだけだ」と酷評されていささか気が滅入ったこともよく覚えている.薬物動態を予測することと臨床のリスクを考えるのは別物であり,予測の血中濃度のような不確かな情報でいたずらに現場を混乱させるべきではない,とのお考えだったのではと思う.確かに根拠に基づく医療(evidence based-medicine :EBM)の哲学は,専門家の直感やあるいは最新の理論に基づく判断が,臨床試験の結果からは幾度となく否定された苦い経験から作り上げられている.したがって,複雑な要因を含む相互作用についても,実際に併用して臨床試験で調べた結果にのみ基づくべきである,との考え方は今でも根強くあるように思う.EBMは尊重すべき重要な考え方である.しかしそうであっても,薬物相互作用の重大なリスクを医療の現場から除くには,予測は欠かすことのできない方法である.その理由は薬物相互作用にかかわる可能性のある薬剤相互作用に関わる薬物代謝酵素と基質薬の寄与率(CR),阻害薬の阻害率(IR)の情報が分かると,AUCの変化率がCR―IR法により推定できる.重要なCYP3A4の基質薬と阻害薬とその分類を理解する.PISCSは相互作用によるAUC変化を予測するとともに,そのAUC変化に対応する臨床的に根拠のある注意喚起レベルを判別する仕組みである.PISCSでは添付文書と矛盾しない注意喚起になるように工夫されているが,違いを生じた場合の対処方法を理解する必要がある.新しい薬物相互作用ガイドライン案における相互作用薬の分類とPISCSの関係を理解する.樋坂 章博千葉大学大学院薬学研究院 臨床薬理学研究室 教授Pharmacokinetic Interaction Signi canceClassi cation System(PISCS)による網羅的DDI予測とマネジメント ―CYP3A4阻害を例として―■ 臨床現場でのDDIマネジメントの即戦力!PISCSを使いこなす! ?? ?