ブックタイトル薬局6708

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概要

薬局6708

薬 局 2016 Vol.67, No.8 2457 23はじめに吸入剤や点眼剤のほとんどは,それぞれ呼吸器および眼組織への局所作用を目的とした製剤であることから,適用した薬物が循環血中に移行して生じる,いわゆる全身性副作用のリスクは,経口剤や注射剤などと比較して相対的に小さい.とはいえ,吸入剤や点眼剤も少なからず全身血中に移行することがあり,これによる全身性副作用は,時に臨床上大きな問題となる.例えば,ステロイド吸入剤による副腎機能抑制や,β遮断点眼剤による呼吸機能の悪化などは広く知られている.そして,こうした吸入剤や点眼剤による全身性副作用のリスクが薬物相互作用によって高まるという症例や臨床試験結果は多数報告されている.本稿では,吸入剤や点眼剤による相互作用の典型的な症例を紹介するとともに,その機構と回避法についても解説したい.吸入剤の薬物相互作用フルチカゾンやブデソニドなどのステロイドは,気管支喘息や慢性閉塞性肺疾患に対して単剤あるいは配合剤の吸入剤として用いられている.また,アレルギー性鼻炎などに対して点鼻剤としても用いられる.これらのステロイドの副作用としては,満月様顔貌や食欲増進,中心性肥満,クッシング症候群様の全身性副作用が知られており,吸入使用時にもみられる注意すべき副作用である.一方で,これらのステロイドは主にシトクロムP450(CYP)3A4により代謝されることから,CYP3A4の阻害薬と併用することにより,上記の副作用吸入剤や点眼剤などの局所作用型製剤に関しては,薬物相互作用のリスクは見落とされがちである.吸入剤や点眼剤の中でも,臨床上全身性副作用が問題となる薬剤では,薬物相互作用によって全身性副作用のリスクが高まることがある.吸入剤の中でも,フルチカゾンに代表されるステロイド吸入剤については,全身性の副作用につながる薬物相互作用のリスクに特に注意が必要である.点眼剤の中でも,β遮断薬の点眼剤については,全身性の副作用につながる薬物相互作用のリスクに特に注意が必要である.大谷 壽一慶應義塾大学薬学部 臨床薬学講座 教授外用剤(吸入剤・点眼剤など)でも臨床上問題となるDDIは起きますか?■ DDIの基本とピットフォール! エキスパートが答えるQ&A ?? ?Feature | 薬物相互作用