免疫学 Update

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120Ⅱ.獲得免疫研究の展開着はTh17 細胞に加えIgA 産生細胞・上皮間リンパ球の分化誘導を促進するとともに,シトロバクター感染に対する抵抗性を誘導する.SFB によるTh17 細胞の分化誘導は定常状態における必要最....

120Ⅱ.獲得免疫研究の展開着はTh17 細胞に加えIgA 産生細胞・上皮間リンパ球の分化誘導を促進するとともに,シトロバクター感染に対する抵抗性を誘導する.SFB によるTh17 細胞の分化誘導は定常状態における必要最低限の感染防御機構として機能し,腸管免疫系の恒常性維持に重要な役割を担うことが示唆される. 一方,全ゲノム関連解析genome-wide associationstudy(GWAS)によりTh17 細胞に高発現する遺伝子IL-23R の変異がIBD や自己免疫疾患に関与することが示されており,Th17 応答は厳密に制御されていることが示唆される.Foxp3 をマスター遺伝子として発現するTreg 細胞はTGF-βやIL-10の産生,直接的な細胞間相互作用を介してエフェクターT 細胞の活性化を抑制する. 非病原性重欠損マウスにおいても腸管粘膜固有層においてTh17細胞が誘導されていることより,TLR を介さないTh17 細胞分化機構が存在することが示される.TLR を介さないTh17 細胞の分化誘導機構として,免疫活性化因子として知られるアデノシン三リン酸(ATP)の関与が報告されている5).腸管粘膜固有層に存在するCD70hiCX3CR1+CD11c+樹状細胞はATP 受容体を高発現しており,腸内細菌から産生されたATP により刺激されIL-6 とTGF-βを産生することでTh17 細胞分化を誘導する(図14 - 2). マウスの小腸粘膜固有層においてTh17 細胞の分化促進に関与する腸内細菌としてセグメント細菌(SFB)が同定されている(図14 - 2).SFB の定図14-2 腸内常在細菌によるTh17 細胞と制御性T 細胞(Treg細胞)の分化誘導Clostridium spp. は上皮からのTGF-β産生を誘導することでTreg 細胞分化を促進する.B. fragilis はPSA(polysaccharide A)によりT細胞内のTLR2シグナルを活性化することによりTreg 細胞を誘導する.CD103+樹状細胞(DC)は,レチノイン酸とTGF-βを産生することでTreg 細胞の誘導に関与する.ビタミンA に依存してマウス小腸に定着するセグメント細菌は,上皮細胞の血清アミロイドA(SAA)産生を誘導する.SAA は樹状細胞のIL-6およびTGF-βの産生を促進することでTh17細胞の分化に寄与する.腸管粘膜固有層内のCX3CR1+CD70hiDC は腸内細菌由来のATP により活性化されTh17細胞分化を促進する.病原体感染によりアポトーシスを起こした上皮細胞はDC に取り込まれる.病原体のTLR リガンドにより活性化されたDC はIL-6を産生し,アポトーシス上皮細胞による刺激はTGF-β産生を誘導する.ビタミンAセグメント細菌IL-6,TGF-βCX3CR1+CD70hi樹状細胞腸内細菌管腔Clostridium spp. B.fiagilis粘膜固有層ATP,TLR リガンドアポトーシスCD103+ 上皮細胞の貪食樹状細胞TGF-βPSA レチノイン酸IL-10 産生Treg 細胞Th17 細胞TGF-β