ブックタイトル薬剤師のための臨床思考トレーニング ケースで学ぶ薬物治療

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概要

薬剤師のための臨床思考トレーニング ケースで学ぶ薬物治療

48第3 章小児の薬物治療計画に必要な基礎知識Lesson1 小児における薬物治療の問題点小児の年齢区分を理解する.小児における医薬品に関連する事故とその対策について理解する.小児における薬物治療の問題点について理解する(未承認薬,適応外使用,治験).小児におけるアドヒアランスの問題と,アドヒアランス向上の工夫について理解する.小児薬物療法における薬剤師の役割を理解し,患者教育や服薬指導を実践できる.12345学習目標 わが国では意外なことに,小児と成人の年齢区分は曖昧です.表3-1は,小児の年齢区分をまとめたもので,日本と米国で違いがある場合は,どちらの国の区分かを記しています.一般的に日本の添付文書では,15歳未満を小児,7歳未満を幼児,1歳未満を乳児とし,15歳以上を成人とみなしています1).薬剤によっては,12歳は成人の2/3薬用量を目安とするものもあることから(例:フスコデ錠)2),12歳で区切るという考え方もあります.小児科を受診するときの年齢区分も,中学生(15歳11ヵ月)で区分しているところと,18歳で区分しているところと,病院によって違いがあるのが現状です(表3-1)3). 小児は成長過程にあり,生理機能の発達度にも個人差があります.小児の薬用量を考える際は,このような年齢区分の違いだけで考えるのではなく,患児の体重,薬剤の性質なども考慮することが重要です. 患児(2歳5ヵ月男児)は,かぜ症状に加えて中耳炎の疑いもあることから,アジスロマイシン細粒を昨日処方されました.母親が薬を飲ませようとしたところ,苦いと言ってすぐ吐き出してしまい,薬をなかなか飲ませることができません.男児が好きなオレンジジュースで飲ませようとしたところ,それでも苦いと言って飲んでくれません.どうしたら患児に薬を飲ませることができるのでしょうか?Case小児の年齢区分