ブックタイトル医薬品のレギュラトリーサイエンス 改訂2版

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概要

医薬品のレギュラトリーサイエンス 改訂2版

118RegulatoryScience6 医薬品添付文書1 医薬品の適正使用と情報 医薬品の適正使用の推進は,1993年5月に報告された厚生労働省「21 世紀の医薬品のあり方に関する懇談会」の報告書で取り上げられるなど,常に医薬品をめぐる大きな課題となっている.なかでも提案「医薬品の適正使用のサイクル」では,医薬品の適正使用には医薬品情報の活用が重要であることが強調されている(図6-1). 医薬品の適正使用のサイクルでは,初めに的確な診断が行われ,続いて最適な薬剤・剤形が選択され,適切な用法・用量で処方箋が発行される.それに基づいて,適切に調剤され,調剤薬が患者に交付される際にはその使用法などが患者に説明される.そして,患者の正しい理解に基づいて正確に使用されたのち,その効果と副作用が評価され,処方にフィードバックされる.このサイクルの各段階で正しい判断・対応を行うためには医薬品情報が活用されなければならず,医薬品情報は医薬品の適正使用のサイクルが円滑に回るためになくてはならない存在である. 具体的に必要な医薬品情報には,最適な薬剤の選択においては,名称,効能・効果(対象疾患に対する有効性),禁忌(投与してはいけない患者や併用してはいけない医薬品),そして,のみやすさ・使いやすさなどに影響する剤形の情報などがある.適切な用法・用図6-1 医薬品適正使用のサイクル処方へのフィードバック添付文書に反映創薬に貢献効果・副作用の評価患者による正しい使用最適な薬剤・剤形選択適切な用法・用量設定患者への説明的確な診断調剤医薬品情報