ブックタイトル実践力UP!NCPR(新生児蘇生法) 37のポイント
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実践力UP!NCPR(新生児蘇生法) 37のポイント
40Point ● 蘇生に必要な物品が限られている場合の対応分娩室以外(自宅や車中)で出生した場合,蘇生に必要な物品はそろっていません.またこの症例のように出生後に起こった急変も,発生した場所によっては使用できる物品は限られています.物品が限られていても,新生児の蘇生で優先されることは「有効な換気」です.気道を確保して,二次性無呼吸と判断される場合には人工呼吸を開始します.そして人工呼吸だけで徐脈が改善しなければ,胸骨圧迫を行います.それぞれの物品がない場合には,以下のように対応することができます.足りない物品対応の例保温のための物品(開放型保育器,リネン)・ skin to skin で保温をはかる(例えば救急車内で,お母さんの胸に直接赤ちゃんをくっつける)・室温を上げる吸引カテーテルや陰圧源・ゴム式吸引器を使用する・ガーゼで口の中の分泌物を掻き出す聴診器・ 触診で確認.出生直後であれば臍帯動脈,出生からしばらく経過していれば上腕動脈か大腿動脈蘇生用バッグ・口対口鼻による人工呼吸を行う新生児に対する口対口鼻人工呼吸A BA: 片手で赤ちゃんの頭部を少し後屈させるように支えながら,もう片方の手で顎先を挙上させます.後咽頭から舌根を持ち上げることによって気道を確保するのです.B: 赤ちゃんの鼻と口の両方を口で覆います.そして赤ちゃんの胸郭に視線を向けながら息を吹き込みます.この際,胸郭が上昇していることを確認します.胸郭上昇が確認できなければもう一度気道確保からやり直します.