ブックタイトル事例・症例に学ぶ 栄養管理 改訂2版

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概要

事例・症例に学ぶ 栄養管理 改訂2版

6栄養管理栄養不良●栄養アセスメント身体計測身長(cm) 163.0体重(kg) 49.7IBW(kg) 58.5BMI(kg/m2) 18.7AC(cm) 22.5上腕三頭筋皮脂厚(mm) 8.0上腕筋囲(cm) 20.0上腕筋面積(cm2) 31.8下腿周囲長(cm) 28.2血液検査Hb(g/dL) 8.3WBC(/μL) 4,300リンパ球数1,333血液生化学検査TP(g/dL) 6.0Alb(g/dL) 3.2FBS(mg/dL) 90T-Chol(mg/dL) 190BUN(mg/dL) 15.6Cr(mg/dL) 0.8BUN /Cr 19.5LYM(%) 31CRP(mg/dL) 0.4ChE(U/L) 3,700赤字は異常値症例2 ●高齢者の栄養不良星野和子●Hoshino Kazuko特別養護老人ホーム手稲つむぎの杜患者の現状 脳梗塞(右内頚動脈閉鎖)を発症し,脳神経外科病院に入院.リハビリ施行するも左麻痺重度にてADL全介助状態で治療終了したので退院したが,在宅介護が困難で,3か月後に当院に入院となる. 左片麻痺,半盲,半側無視があり中等度の認知症などのため要介護4となる.NMスケール27点で中等度の認知症である.日常生活動作N-ADLは8点で車椅子乗車での離床や食事の自力摂取を促している. 理学療法,作業療法,言語療法のリハビリを実施するが意欲が低く,疲労感の訴えも強い.精神状態も不穏があり軽い安定剤を処方しているが,認知障害の合併も疑われる.栄養アセスメントと栄養管理プランの策定 身長163cm,体重49.7kg.血圧は入院後は高めで経過したが,その後は安定.血糖コントロールも良好.食事摂取時に「喉につかえて食べられない」と訴えているため,食事形態を刻み食からミキサーにしたが,食事摂取量は少なく5割ほどしか摂取できず栄養補助食品(テルミールミニ 200kcal/125mL)を毎食付加する.耳鼻科受診,言語聴覚士の嚥下評価では,機能面においては表立って問題はみられない.しかしミキサー食の喫食率が上昇しないので,甘味の強いムース状の食品も組み合わせた訓練食に変更する.栄養管理の実施と経過 入院後13日目以降より,食事形態のアップを図るため,ミキサー食を試しにだす.飲み込みに問題はないようだが,訓練食の甘めの食事に慣れてしまったためか,おかずがしょっぱいと訴えている.カンファレンス時に家族より「入院前は,甘いお菓子も食べていたけど,しょっぱいものが好きだった」との情報あり.味に慣れてもらうために,試験的に3日間ほど継続し●患者データ症例男性,84 歳病名脳梗塞(右内頚動脈閉鎖)既往歴高血圧,糖尿病,胃潰瘍生活歴妻と2 人暮らし