ブックタイトルぶらなび 血液疾患診療ナビ 改訂2版

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概要

ぶらなび 血液疾患診療ナビ 改訂2版

◆◆ プライマリ・ケアの外来診療で白血球増加に遭遇した場合に鑑別診断をすすめるための手順を図3-7 に示した1-4).1) ステップ1:白血球増加あり?◆◆ 白血球数は個人差が大きく基準範囲の設定が難しいが,通常は 11,000/μL 以上で白血球増加と判定する(表3-11)1-3).◆◆ 白血球数が偽高値となる場合:自動血球測定器による測定では,溶血不良,血小板凝集,多数の巨大血小板,多数の有核赤血球,寒冷凝集素がみられたときは,これらの粒子成分を白血球数として計測し偽高値となることがある5).◆◆ 年齢による変動:新生児では白血球数は 20,000/μL と増加しており,1 歳未満の乳児~小児期でも成人よりは高値となる.◆◆ 生理的な変動:白血球数は疾病のない状態でも生理的な条件によって増加をきたす場合がある5).その原因としては,運動,喫煙,食事後,妊娠,月経周期,過度な寒冷または温熱刺激,精神的ストレスなどが知られている.生理的な変動で,白血球数が30,000/μL 以上となることはまれである.2) ステップ2:著明な増加あり?◆◆ 白血球数が 50,000/μL を超えている場合は,「著明な白血球増加あり」と判断し,芽球(白血病細胞)の有無にかかわらず,直ちに専門医療機関への紹介を考慮すべきである.◆◆ 著明な白血球増加をきたす主な病因:類白血病反応(? MEMO「類白血病反応」参照),白血病〔急性骨髄性白血病acute myelocytic leukemia(AML),急性リンパ性白血病acute lymphocyticleukemia(ALL),慢性骨髄性白血病chronic myelocytic leukemia(CML),慢性リンパ性白血病chronic lymphocytic leukemia(CLL)〕表3-11 白血球数・白血球分画の基準値分 画絶対数(/μL) 比率(%)全白血球3,300 ~ 11,000好中球2,000 ~7,500 50 ~70好酸球40 ~ 400 2 ~ 5好塩基球20 ~ 100 0.2 ~ 1単 球200 ~ 800 3 ~ 6リンパ球1,500 ~ 4,000 20 ~ 403Chapter 血液データ異常から考える61