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Palmのなかには? ─小児科編─今回は,小児科医にとって持っていたら便利なソフトをまとめてみたいと思います.小児科とひとくくりにすると範囲は膨大ですが,小児一般を中心に幅広くまとめてみたいと思います.第14回の内科基礎編もあわせて参考になさってください. 1.薬剤情報やはり薬剤情報としては,今日の治療薬が必携だと思います.バージョンアップを重ねた現在の今日の治療薬は,各薬剤にメモを書くことができます.小児薬用量などが記載されていない場合,ここに用法・用量などをまとめておくことができます. 同効薬や薬価を調べるためには,やはりジェネリッこも持っていると便利です.さらに無料で公開されているpdrugまであれば,薬剤情報としてはほぼ十分でしょう. 感染症情報についても,内科基礎編と同様に,Sanford Guide 熱病かJohns Hopkins Division of Infectious DiseasesのAntibiotic Guideを持っていると便利でしょう. MP-Palm掲示板とPalmリンク集では,Sanford Guide 熱病の2005年版インストールについて,問題点が指摘されていました.CLIEに付属していたPalm Desktopではインストールがうまくいかず,英語版のPalm Desktopを使う必要があるようです.今のところ2006年版に関しての情報はありません. その他薬剤情報としては,小児の薬用量を確認・計算するソフトがあってもよいかもしれません.右腕くん Vol.1は,年齢・体重・体表面積から小児薬用量を算出してくれます.この種のソフトは海外では多数公開されていて,有名なところでは,まずRxCalcがあります.内服・注射それぞれの薬剤について,プルダウンメニューから選択をするだけで,投与量その他の情報を表示してくれます.他にもKidDoseとかPedi-Table,Peds Rxなどがあります. 2.医療計算このジャンルの筆頭は,やはり内科編同様MedCalcです.小児科でも使える各種計算式が満載ですから,持っていて損はありません.無料ですし,日本語化もできています. しかしじつは,小児科領域では,MedCalc以上に必携だと思われる計算ソフトがあります.それがSoDaChiとNobiNaviの兄弟ソフトです.どちらも岡山大学の小児神経を専門とされる「あきちゃん」先生が作られました. SoDaChiは平成2年度と12年度統計に基づいて,小児の身長・体重・頭囲・胸囲各計測値の標準値に対するSDを計算してくれます.
身長のデータは最新バージョンで,平成17年度より新規採用された成長ホルモン治療開始基準に準拠した標準値に変更されました.計測値から標準値に該当する年齢を検索する機能もあり,計測身長→該当年齢→標準体重→計測体重の評価,という作業も簡単です. NobiNaviは両親の身長から子供の予測到達身長を計算するソフトです.さまざまな疾患や場面で低身長が疑われた場合,本来は最終的にどの程度まで身長が伸びると期待されるのか,簡単に計算ができます. この2つのソフトは,外来であるいは病棟で,活躍する場面はとても多いと思います.それまでの一覧表を一生懸命にめくったり,電卓を片手に13を足すんだったか引くんだったか悩むといった問題が一気に解消します.初めて評価版のソフトを手にしたときに心から感動したのですが,きっと小児科の先生方なら共感されると思います.このソフトを無料で公開された「あきちゃん」先生に,とても感謝しています. さて,一方の海外には,やはりいろいろな小児科医向け計算ソフトがあります. まずPICU Toolsです.小児ICUで便利な各種情報が詰まったソフトです.薬剤情報もありますし,正常値も載っていますが,計算ソフトとしては,赤血球輸血の投与量計算とか,Glasgow Coma Scale計算,血漿浸透圧計算など充実しています.しばしば公開中止されるのですが,しばらくするとバージョンアップ版がひっそり公開される,面白いソフトです.似たようなタイトルのPICUというソフトがありますが,こちらは複数の薬剤の投与量を計算するソフトのようです. その他例えばYale大学では,Nutricalcという末梢や中心静脈,経口摂取の栄養量を計算するソフトや,体重による点滴量を計算するDrug Infusion Calculator,抗生剤投与量や,各種肺機能計算ができるMultifunctional Critical Care Calculatorなどを公開しています.New York大学では,NICUで便利なBallardスコアを出すのに便利なBallard Gestational Examというソフトを公開していましたが,Webから削除されました.何か理由があるようなのですが,詳細は不明です.ソフトそのものは,医療関係者のためのPalmリンク集に収載されました. さらに,医学計算からは若干外れますが,年齢(期間)計算ソフトは必携だと思います.病日の計算や日齢・月齢計算は,小児科では日常的に行われる計算ですから,これを助けてくれるソフトは,やはり手放せません. 内科基礎編でまとめましたように,この領域ではNenGo! model MとSpan Calculatorが便利です.MedCalcでも同様の計算はできるのですが,この計算に特化したソフトのほうが,何かと使いやすいように思います. NenGo! model Mは年齢計算・年齢早見表という機能が主ですが,その他に,生まれてから小学校・中学校と学校の学年と暦の関係を一覧表示してくれる機能があり,これはとても重宝します.また和暦・西暦の変換もとても助かります.証明書や診断書・紹介状を書くときに必須のソフトです. Span Calculatorは,2点間の期間を表示するだけのシンプルなソフトです.開始日を日齢0とするか1とするか選択ができますから,新生児の日齢計算や病日計算など,用途によって使い分けが可能で便利です.ただし月数表示に若干の問題を抱えているため,現在計算アルゴリズムを再検討中ですが,それ以外はまったく問題なく利用可能です. 3.辞書・教科書類医学辞書に関しては,内科基礎編同様,ステッドマン医学大辞典か南山堂医学大辞典のどちらかが選択肢です.語彙数の「ステッドマン」と,充実した解説の「南山堂」で,どちらも甲乙つけがたいものがあります. 小児科医にとっての教科書は,まずNelsonと言いたいところなのですが,Nelson全体のPDA版はまだ出ていないようです.ですが,Nelson's Pocket Book of Pediatric Antimicrobial Therapyという感染症の本は出版されています.先述の抗生剤ガイドとあわせて参考にされるのもよいかもしれません. Palm用教科書の代表格,The 5-Minute Clinical ConsultにはThe 5-Minute Pediatric Consultという小児科版があります.疾患別に,概略や症状,検査方法,治療や今後のフォローに関して,簡潔ながら必要十分にまとめられています.ソフトは各社から出ていますが,内科編同様ここではSkyscape版をおすすめしておきます.他のソフトとの連携が図られていますので,便利に使えると思います.あるいは,The Washington Manual® Pediatrics Survival Guideというのもあります. 疾患についての教科書ではなく,主訴から疾患の鑑別を進めるテキストとしてはChief Complaints in Pediatricsがおすすめです.鑑別疾患も主要なもの,まれなものなどよくまとめられています.Skyscape版ではThe 5-Minute Pediatric Consultとの連携もよくて,両者の間をボタン1つで行き来できます. 小児科の総合的なマニュアルとしては他に,The Harriet Lane Handbookがあります.The Johns Hopkins Hospitalのマニュアルですが,研修医時代にとてもお世話になりました.小さい本ですが結構厚いので持ち運びが不便でしたが,Palmソフトでしたらこうした問題が一気に解決します.小児科に必要ないくつかの計算機能も持っていますし,画像データや表形式のデータなども本と同様収載されていますので,リファレンスとして持っていてもよいと思います. ここでご紹介したほかにも多数のテキスト類がありますので,Skyscapeなどで探してみられてはいかがでしょうか. さて,これら教科書・テキスト類に対して,もう少し手軽なメモ・ガイドブックはどうでしょうか.まず最初にあげたいのは,小児科臨床メモです.こどもクリニックというWebにある小児科医向けの臨床メモで,毎週のように更新されています.ちょっとした診療のコツなどがまとめられていて,とても参考になります.こうした診療メモをみんなで持ち寄って充実させることができたら素晴らしい,と思っているのですが,いかがでしょうか. 同じような診療メモは,海外にももちろん多数あります.代表的なサイトはDocZのSelected topics in PediatricsやThe Pediatric Pilot Pageなどでしょうか.iSiloやHanDBaseのデータも多数あります.MeisterMedやMemoWare,DDH Software Medical Solutionsなどを参考になさってください. 4.その他インターネットの世界では,もういくら探してもきりがないほどさまざまな,医療関係Palmソフト・情報が公開されています.国内のサイトはだいたいのところPalmリンク集で網羅されていますが,海外となるとリンク集に集めてあるのは,まだまだ氷山の一角のように思います. Pocket Radiologist:Pediatrics Top 100 Diagnosesは放射線科医向けですが,レントゲン画像を中心に主だった疾患をまとめたテキストです. Shotsは文字通り予防接種のガイドソフトですが,とてもよくできています.このソフトに触発されて,2004年版の日本国内予防接種についてまとめたものをPalmのページで公開しています.そろそろ最新版にバージョンアップしなくてはなりませんね. PediSuiteはPALSや点滴用計算機,薬剤情報,OTC(市販薬)情報などがまとめられた複合ソフトで,Lexi-Pediatric Suiteも同ジャンルのソフトになります. 小児救急では,Tarascon Pediatric Emergency Pocketbookがとてもよくまとまっていておすすめです.
NICU領域では,先述のBallard Gestational Examの他に,Pocket Neonatologyなどもあります. 以上,小児科領域で便利なソフトをまとめてみました.他にも小児外科学や小児麻酔学などのテキスト類もありますが,それらはまた別の機会にふれたいと思います. (参考URL) (このページは,雑誌「治療」の連載記事(2004年6月〜2006年3月)をもとに制作されています.このページに含まれるすべてのコンテンツは私的利用の範囲でご使用いただくこととし,無断転載・複製はおやめください.) |
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