このページは,雑誌「治療」の連載記事(2004年6月~2006年3月)を公開したものです.
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基本ソフトの使い方

1.Palmを手に入れたら

新しい機械を手に入れたとき,ちゃんとマニュアルを読むかたはどのくらいいらっしゃるのでしょうか.筆者はじつは,ざっと読んだらあとは使いながら覚えようというタイプです.おそらく皆さんの中にも,けっして少なくないと思います.

Palmも実際は,マニュアルなど見なくても,だいたいのところはすぐ使えるようになると思います.ですが,一応はまずざっと一通り目を通してみてください.そのほうが,Palmを使う上でのイメージが湧くと思います.

Palmは充電池で動くものがほとんどです.ですから手に入れたらまず充電から始めます.クレードルと呼ばれるスタンドにPalmをのせて電源をつなぐか,Palmに直接電源コードをつないで,充電を開始します.充電をしながら使うことができますから,数分も充電をすれば,電源が入ると思います.電源を入れると初期設定画面になりますので,画面の指示に従って作業を進めます.

ここで覚えておいていただきたい言葉が3つあります.まずスタイラスですが,これはPalmに付属しているペンのようなものです.Palmは基本的にこのスタイラスを使って操作します.先があまりとがっていないものなら,ご自分の爪を含めて他のものでも代用できますし,付属のスタイラスを嫌って,市販されているものを使うかたも少なくありません.筆者もLAMYの4色ボールペンの1色を,MiniBarというスタイラス替芯に入れ替え愛用しています.

2つめの言葉は,タップです.画面に表示されるアイコンなどをスタイラスで軽く押すことです.強く勢いよく叩かなくても,ちゃんと認識してくれます.

3つめに,Palmの下のほう,4つのボタンが並んでいる上にある一区画をシルクエリアといいます.文字入力をするGraffitiエリアと,「ホーム」や「検索」アイコンなどが並んでいます.

さて,スタイラスを使って初期設定を続けます.初期設定画面の指示通りにタップをしていけば設定は終了です.作業としては難しくないと思います.続いてPalmのトップ画面(ホーム画面)が表示されます.機種によっては,独自のランチャー(ソフトなどを見やすく整理した画面)が起動する場合もあります.

それでは,あらかじめ用意されているソフトを見てみたいと思います.

2.基本ソフトについて

携帯情報端末としては,まず最低限電子手帳にある機能は盛り込まれています.購入時に最初から搭載されているソフトとしては,予定表,住所録,To Do,メモ帳の4つが主なもので,その他簡単な電卓や機種によっては辞書なども用意されています.この主な4つのソフトは,Palm本体の下のほうにハードウェアボタンと呼ばれる4つのボタンが用意され,通常は左から順に先述の順番で対応しています.このボタンを押せば瞬時に電源が入り,該当するソフトが起動します(SONYのTH55は,こうした基本ソフトをクリエオーガナイザーという独自の電子手帳ソフトにまとめていますので,ハードボタンの設定が他のPalmと異なっています.Treoもキーボードが付いた分,一般的なPalm とはボタン配置が異なっています).

A.予定表

Palmに用意されている基本ソフトの中で,もっとも使う頻度が多いソフトだと思います.会合や研究会の予定,来客予定その他,机上のパソコンとデータを同期させて持ち歩くことができます.

それではハードボタンの一番左,予定表のボタンを押してみます.今日の予定表が表示されたでしょうか.

右上の曜日をタップすると,その週の他の曜日へ移動します.曜日の左右にある三角形のボタンをタップすると,それぞれ前後の週に移動します.右下のカレンダーをタップすると,その月のカレンダーを表示します.左下のドミノのような4つのボタンは,左から1日・1週間・1ヵ月の各予定表と一覧表示です.

予定を入力するには,「カレンダー」や1ヵ月の予定表から目的の日を選び,「新規」ボタンをタップします.「時刻の設定」という画面が表示されますから,予定の開始・終了時刻を設定して「OK」をタップすると予定表画面に戻り,開始時刻のところでカーソルが点滅しています.あとはここに予定を書き込むだけです.予定表の時刻を直接タップしても,そこに予定が書き込めます.再度時刻をタップすると,「時刻の設定」画面に移動します.ここで「指定なし」をタップすると,時刻の指定がなくなり,予定表では時刻の代わりに「◆」が表示されます.筆者は,学会とか当直といった時刻指定不要の予定を記入するのに使っています.予定を削除する場合は,記入した予定を消去するだけです.

さらに各予定には,アラームを設定することもできます.中央下の「詳細」ボタンをタップすると「予定の詳細」画面が表示されます.この中の「アラーム」の右にある「□」をタップするとチェックマークが表示され,右側にいつアラームを鳴らすのか設定する項目が追加表示されます.例えば会議があるとき,その10分前にアラームが鳴るように設定すれば,うっかり忘れた,ということも減らせるかもしれません.

次に,1ヵ月の予定を表示させてみましょう.

予定が記入されていると,黒い縦棒で表示されます.この縦棒をタップすると,1日の予定表に移動します.しかしこの1ヵ月予定表は,これだけではどんな予定が入っているのか分からず不便です.みんながそう思うのか,予定表の機能を拡張したさまざまなソフトが公開されています.これらのソフト(基本ソフトの置き換えソフトと呼びます)を使えば,各予定にアイコンを付けて表示したり,To Doや住所録と連携することも可能です.詳しくは次回にご説明します.

B.住所録

ハードボタンの左から2つ目は住所録です.

画面右下「新規」をタップして,「アドレスの編集」画面を出します.ここに登録したい人や組織の名前,住所,連絡先などを記入します.カメラ付きのPalmですと,顔写真も一緒に登録することもできます.一通り記入したら,「詳細」をタップして,住所データの分類カテゴリ(ビジネスやパーソナルなど)などを設定して終了です.

検索は,一覧画面左下の「検索」に名前などの最初の1文字をひらがなで入力すると,その文字ではじまる最初のアドレス情報が表示されます.もう1文字入力すると,その2文字ではじまるアドレス情報が表示されます.あるいは個別のカテゴリを表示させて調べることもできます.

C.To Do

日々の忙しさの中,やらなくてはいけないことがたまっていくのですが,ともするとうっかり期限を忘れがち.あるいは,やらなくてはいけないこと自体を忘れる,という情けない状況に陥る筆者には,やはり必須のソフトです.

ハードボタンは右から2つ目です.「新規」ボタンを押して新しいTo Doを登録します.次に「詳細」をタップして,優先度やカテゴリ,期日などを設定します.優先度は「1」がもっとも高く,「5」が最低です.一覧画面の「表示」では,完了したTo Doも表示するか等の設定ができますので,終わったTo Doは表示しなくてもよい場合など,細かな設定をしてみてください.

D.メモ帳

このソフトはシンプルながら,とても奥の深い使い方ができます.一般的には,日常の業務や生活の中で,ちょっとメモをしておきたいことなどを記録するのに使います.使い方はTo Doなどと同じです.ハードボタンの一番右を押してメモの一覧を表示した後,「新規」をタップして新しいメモを書き加えます.「詳細」でカテゴリを選択できるのも同じです.急ぐときは,とりあえずすべてひらがなで入力し,後で時間のあるときに漢字変換することも可能です.

メモ帳の置き換えソフトは,本当にたくさんあります.これらを使えば,例えばメモを階層化してアイデアプロセッサやデータベースのような使い方をすることも可能です.このあたりも次回触れてみたいと思います.

またPalmによっては手書きメモ帳が付いている場合もあります.メモパッドが表示されますので,そこに好きなように書き込み,それがそのままの形で保存されます.走り書きをしたり図も書きたい場合に便利で,やはりインターネット上には,いくつかのソフトが公開されています.

3.文字の入力は難しい?

さて,ここまでで基本ソフトの主なもの4つの説明が終わりました.しかし一番大切な説明が抜けています.キーボードのないPalmで,どうやって文字を入力するのでしょう.

Palmには文字入力の基本として,2つの方法が用意されています.1つはソフトキーボードといって,Palmの右側にある「キーボード」というボタンをタップすると起動します.パソコンのキーボードと同じ配列でキーが表示されますので,かな・カナ・英語・数字の各モードをタップで切り替え,1つずつキーをタップすれば入力ができます.

しかし一般的な入力方法は,Graffitiという,アルファベットの一筆書きによるローマ字入力です.いくつかの文字は少し独特の書き方をしますが,多くは筆記体に似ていますから,覚えるのはそれほど大変ではないと思います.Webでも書き方の説明がありますし,Graffitiエリアから画面の上端まで,下から上に直線を描くと,記入方法のヘルプが表示されますので,書き方を忘れても何とかなると思います.特許の問題があって最近はGraffiti2となり,よりブロック体の書き順に近くなりました.ローマ字入力の規則は,パソコンと同じです.

一部のCLIEには,3つ目の入力方法として,Decumaという手書き文字認識機能が付いています.これはかなり高性能で,マス目の中に文字を手書きすると,自動的に該当する文字に置き換えてくれます.誤認識は少なく,Graffitiに抵抗のある人でも,楽に文字入力ができると思います.中古でTH55を入手されたら,ぜひお試しください.

4.パソコンとの連携は?

Palmで扱う情報は,パソコン上でも処理ができます.ソフトのインストールも,通常はパソコンからPalmにデータを送ります.これらパソコンとのやり取りを,HotSyncといいます.通常はクレードルのボタンを1つ押すだけで終わります.

パソコン上でPalmのデータを扱うためには,購入時に付いてくるCD-ROMから,Palm Desktopというソフトをインストールします.Windowsの場合はそのままインストールしてください.あとはクレードルとパソコンをつないでPalmをのせ,HotSyncボタンを押すだけです.初めてのHotSyncでは,Palmに名前を付けるよう要求されますので,お好きな名前をアルファベットで入れてください.後日購入したソフトの登録に,この名前を使うことがありますから,日本語は避けたほうがよいと思います.

若干問題があるのは,MacユーザーがCLIEを使う場合です.結局 SONYは公式にMacで使う場合のサポートをしませんでした.ですがソフトメーカーからMacユーザー用に,Missing Syncというツールが公開されています.これを使えばMacでも問題なくCLIEが使えます.このあたりの詳細は,URLをご紹介したWebに丁寧に説明されています.参考になさってください.Treoの場合は,最初からMacでも利用可能なPalm Desktopが用意されています.