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とびだせ、薬剤師!
臨床現場で活躍する薬剤師の知識やスキルのおさらい&アップデートをサポートする雑誌

月刊:毎月5日発行 B5判 定価:2,200円(本体2,000円+税10%)※増刊号・臨時増刊号を除く ISSN 0044-0035

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※増刊号・臨時増刊号を除く ISSN 0044-0035

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2020年12月 Vol. 71 No.13

肝障害時の薬物療法

肝機能を考慮したマネジメントの基礎と実践

定価

2,200(本体 2,000円+税10%)

  • 巻頭言
  • 目次
巻頭言
 肝臓は薬物の消失に関わる主要な臓器の一つである.したがって,疾患や薬物などにより肝臓が障害を受けて,その機能が低下すれば薬物の消失に影響を与えることは想像しやすい.しかし,薬物動態に影響を及ぼす肝臓関連の因子は薬物代謝酵素のみならず,肝血流,トランスポーター,血漿タンパクなどがあり,さらに肝障害は肝臓における消失過程だけでなく,消化管吸収や分布過程にも影響を及ぼしうるため,その影響は単純ではない.また,肝腎症候群などにより肝障害患者では腎機能障害を併発していることも少なくない.腎障害時では糸球体ろ過量やクレアチニンクリアランスが薬物の腎クリアランスとも相関することが多く,薬物投与設計にも活用しやすいが,肝障害時には薬物の肝クリアランスの指標となる精度の高い実用的な検査は現状ではないと考えられる.薬物の開発時には肝障害患者での薬物動態試験を行うことが望ましいが,倫理的な問題などもあり,必ずしも実施されるとは限らず,また実施されていたとしてもその例数は限られているなどの限界もあり,十分な情報量があるわけではない.さらに,肝障害が薬物動態に与える影響のみならず,肝障害による病態を含めて薬物療法の有効性や安全性に与える影響を考えることが重要である.すなわち,肝障害時の薬物療法においては,肝臓の機能・役割,肝障害の評価や影響,その薬物動態や薬物治療に与える影響を適切に理解することが必要である.
 そこで本特集号では,肝障害の合併患者に対していかに薬物療法を実践すればよいのかを考えるために,特に重要な点を項目立てして解説している.総論的な項目としては,肝障害時の薬物動態,Child-Pugh分類と禁忌薬,肝障害時の早期発見と対応について用意し,また各論として肝障害を合併する薬物療法マネジメントについて,疾病領域ごとに専門性の高い薬剤師の先生方に解説いただいた.総論,各論共に自分の理解を深めたい項目だけ目を通していただいてもよいし,いざ確認が必要なときの資料として保管していただくのも有用であると考える.本特集が,肝障害時の有効で安全な薬物療法を提供するための一助となれば幸いである.

東京大学医学部附属病院 薬剤部 副薬剤部長
大野 能之
目次
(特集)

■特集にあたって(大野 能之)

■肝障害時の薬物動態の考え方(大野 能之)

■Child-Pugh分類と肝障害時の禁忌薬(佐村 優)

■薬物性肝障害の早期発見・対応の実践ポイント(荻上 尚樹 ほか)

■肝障害を合併する患者の薬物療法マネジメント
・糖尿病×肝障害(谷藤 亜希子)
・脂質異常症×肝障害(宮田 大資 ほか)
・血栓塞栓症×肝障害(白根 達彦)
・不整脈×肝障害(土岐 浩介)
・結核・非結核性抗酸菌症×肝障害(木村 丈司)
・真菌症×肝障害(松元 一明)
・うつ病・統合失調症×肝障害(築地 茉莉子)
・てんかん×肝障害(山本 吉章)
・がん×肝障害(小出 博義 ほか)
・疼痛×肝障害(内藤 隆文)

(シリーズ)

■薬剤師が三ツ星シェフ ~業務に活きる!活かせる!経静脈栄養のホントのところ~
経静脈栄養組成の立案に必要な情報
-脂 肪-
(東 敬一朗)

■毒舌妻と統計家 ―臨床試験論文を読んでみる― 第②回
盲検化・主要評価項目・ITT
(今井 匠/井出 和希)

■フォーミュラリー道場 ―医薬品の適正使用を目指して―
薬剤別フォーミュラリー③
抗インフルエンザウイルス薬
(奈良部 修弘/金井 紀仁/安藤 正純)

■プロフェッショナルEYE 専門薬剤師からみた勘所
バクテロイデス菌血症を研究せよ!
(望月 敬浩/倉井 華子)
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