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とびだせ、薬剤師!
臨床現場で活躍する薬剤師の知識やスキルのおさらい&アップデートをサポートする雑誌

月刊:毎月5日発行 B5判 定価:2,200円(本体2,000円+税10%)※増刊号・臨時増刊号を除く ISSN 0044-0035

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月刊:毎月5日発行 B5判 定価:2,200円(本体2,000円+税10%)
※増刊号・臨時増刊号を除く ISSN 0044-0035

表紙
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2018年増刊 Vol. 69 No.4

病気とくすり2018

基礎と実践 Expert's Guide

定価

6,600(本体 6,000円+税10%)

  • 目次
  • 書評 1
  • 書評 2
  • 書評 3
目次
1.末梢神経系の病気とくすり
・解剖と生理
・重症筋無力症
・進行性筋ジストロフィー
・ギラン・バレー症候群

2.精神・中枢神経系の病気とくすり
・解剖と生理
・統合失調症
・うつ病,躁うつ病(双極性障害)
・不安神経症,パニック障害
・心身症
・不眠,不眠症
・てんかん
・脳卒中
・パーキンソン病
・認知症
・頭痛
・多発性硬化症
・筋萎縮性側索硬化症
・ナルコレプシー
・薬物依存症,アルコール依存症
・クロイツフェルト・ヤコブ病

3.免疫・炎症・アレルギーの病気とくすり
・解剖と生理
・食物アレルギー
・薬物アレルギー
・アナフィラキシー
・ベーチェット病
・シェーグレン症候群
・全身性エリテマトーデス
・強皮症
・混合性結合組織病
・多発筋炎,皮膚筋炎
・移植片対宿主病
4.骨・関節・カルシウム代謝の病気とくすり
・解剖と生理
・関節リウマチ
・骨粗鬆症
・変形性関節症
・骨軟化症,くる病
・悪性腫瘍に伴う高カルシウム血症

5.循環器の病気とくすり
・解剖と生理
・不整脈
・心不全
・虚血性心疾患(心筋梗塞,狭心症)
・本態性高血圧症
・二次性高血圧症
・閉塞性動脈硬化症
・心原性ショック
・心臓弁膜症
・先天性心疾患

6.血液・造血器系の病気とくすり
・解剖と生理
・貧血
・血栓塞栓症,播種性血管内凝固症候群
・血友病
・血小板減少性紫斑病
・白血球減少症

7.泌尿器・生殖器の病気とくすり
・解剖と生理
・腎不全
・ネフローゼ症候群
・慢性腎臓病
・過活動膀胱,低活動膀胱
・糸球体腎炎
・薬剤性腎症
・尿路結石
・前立腺肥大症
・子宮筋腫,子宮内膜症
・異常妊娠,異常分娩,不妊症

8.呼吸器系の病気とくすり
・解剖と生理
・気管支喘息
・慢性閉塞性肺疾患
・肺炎

9.消化器の病気とくすり
・解剖と生理
・胃食道逆流症
・消化性潰瘍
・炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎,クローン病)
・肝炎
・肝硬変
・薬剤性肝障害
・膵炎
・胆石症
・胆管炎,胆嚢炎
・過敏性腸症候群
・便秘,下痢
・悪心,嘔吐
・急性虫垂炎
・痔疾

10.代謝系の病気とくすり
・解剖と生理
・糖尿病(合併症を含む)
・脂質異常症
・高尿酸血症,痛風

11.内分泌系の病気とくすり
・解剖と生理
・バセドウ病
・甲状腺炎
・副甲状腺機能亢進症・低下症
・尿崩症
・先端巨大症
・高プロラクチン血症
・下垂体機能低下症
・ADH不適合分泌症候群
・クッシング症候群
・アルドステロン症
・褐色細胞腫
・副腎不全
・アジソン病

12.眼の病気とくすり
・解剖と生理
・緑内障
・黄斑症・網膜症(加齢・糖尿病)
・白内障
・結膜炎
・ぶどう膜炎
・網膜色素変性症

13.耳鼻咽喉の病気とくすり
・解剖と生理
・めまい(動揺病,メニエール病)
・アレルギー性鼻炎,花粉症
・副鼻腔炎
・中耳炎
・口内炎,咽頭炎,扁桃腺炎
・急性喉頭蓋炎

14.皮膚の病気とくすり
・解剖と生理
・アトピー性皮膚炎
・皮膚真菌症
・褥瘡
・薬疹
・蕁麻疹
・水疱症
・乾癬
・接触皮膚炎
・光線過敏症

15.病原微生物とくすり
A 病原微生物の基礎と治療薬
・病原微生物と検査
・抗菌薬
・抗真菌薬,抗ウイルス薬,抗寄生虫薬
B 薬剤耐性菌による院内感染
・メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)
・バンコマイシン耐性腸球菌属菌(VRE)
・多剤耐性緑膿菌(MDRP)
・多剤耐性アシネトバクター属菌(MDRA)
・カルバペネム耐性腸内細菌科細菌(CRE)
C 呼吸器感染症
・上気道炎(インフルエンザを含む)
・気管支炎
・扁桃炎
・肺結核
・百日咳
D 消化器感染症
・食中毒
・細菌性赤痢
・コレラ
・腸チフス,パラチフス
・偽膜性腸炎
E 尿路感染症
・腎盂腎炎,膀胱炎,尿道炎
F 性感染症
・梅毒
・淋菌感染症
・性器クラミジア感染症
G 中枢神経系の感染症
・脳炎
・髄膜炎
H 心内膜・胸膜の感染症
・感染性心内膜炎
・胸膜炎
I 皮膚細菌感染症
・伝染性膿痂疹
・蜂窩織炎
・毛包炎,癤,癰
・ハンセン病
J 全身性細菌感染症
・ジフテリア
・劇症型A群β溶血性レンサ球菌感染症
・新生児B群レンサ球菌感染症
・破傷風
・敗血症
K ウイルス感染症
・HIV感染症,後天性免疫不全症候群
・ヘルペスウイルス感染症(単純ヘルペス,水痘・帯状疱疹)
・サイトメガロウイルス感染症
・伝染性紅斑(りんご病)
・手足口病
・伝染性単核球症
・突発性発疹
・咽頭結膜熱
・麻疹
・風疹
・流行性耳下腺炎
L 真菌感染症
・カンジダ症
・ニューモシスチス肺炎
・肺アスペルギルス症
・クリプトコックス症
M 原虫・寄生虫感染症
・マラリア
・トキソプラズマ症
・トリコモナス症
・赤痢アメーバ症
・回虫症
・蟯虫症
・アニサキス症

16.悪性新生物とくすり
A 悪性新生物の基礎と治療薬
・悪性新生物
・抗がん薬
B 悪性腫瘍
・白血病
・悪性リンパ腫
・多発性骨髄腫
・食道癌
・胃癌
・大腸癌
・肝癌
・胆囊・胆管癌
・膵癌
・頭頸部癌
・肺癌
・脳腫瘍
・網膜芽細胞腫
・子宮癌
・卵巣癌
・乳癌
・肉腫(骨・軟部腫瘍)
・がん疼痛
・腎癌
・膀胱癌
・前立腺癌

17.薬物動態と相互作用 -基礎と実践-
・薬物動態パラメータの見方・考え方
・薬物相互作用マネジメントの実践ポイント
書評 1
川添 哲嗣 先生(医療法人つくし会南国病院 薬剤部)

 「病気とくすり」というタイトルは,薬剤師の歴史に照らし合わせると少し感慨深いものがある.今から約30年前,医師が病気と薬を患者に説明し,薬剤師は調剤の後ほとんど説明せずに投薬するだけだった.約25年前,ようやく薬の説明をし始め,20年ほど前から病気と薬の両方を説明するようになった. そして現在ではそれがスタンダードになっている.「病気とくすり」の両方を知り,適切な薬物治療を提案できる薬剤師を,医師,看護師そして患者が求める時代になったのである.本当に感慨深いものがある.
 本書を一言で表すと「薬のことしか語れない薬剤師から,病気のことも語れる薬剤師になるための実践本」だろう.執筆陣は現場の第一線で活躍されている基幹病院や大学病院などの医師,大学教員そして薬剤師であり,大変実用的かつ実践的内容となっている.
 本の内容をもう少し詳しく解説しよう.末梢神経系,中枢神経系,免疫・炎症・アレルギー,循環器,呼吸器,消化器などに分類され,それぞれに解剖と生理の解説が詳しく書かれている.続いて分類ごとの各種疾患が「疫学,病態生理,診断・検査,治療」について解説され,薬物治療は処方例とその解説付きで登場する.
 この解説が非常に分かりやすい上に詳しい.例えば「パーキンソン病」の項目では,治療の目的から始まり,治療開始のタイミング,初期治療,進行期と順を追い,それぞれに処方例と解説が記されている.そして運動合併症として起こる,運動症状の日内変動やジスキネジアの対処方法について,さらに非運動症状の起立性低血圧や排尿障害に対する治療についても詳しく述べられている.言葉にすると分かりづらいwearing offやpeak-doseジスキネジアの治療についてはアルゴリズムで図説されている.
 これらだけでも相当な薬物治療の知識となるが,上記解説の後に,あらためて疾患別治療薬についての「薬理,薬学管理上の注意点そして薬剤作用機序」が図説付きでまとめられている.これほどの完璧な構成はほかのどの書にもない.多くの薬剤師は,「治療薬のマニュアル本」と同じではないかと想像していると思うが,全く内容は違う.断然こちらの方が詳しく,病気と薬についてエキスパートになれる.
 さて,まとめに入ろう.本書「病気とくすり」はサブタイトルとして「基礎と実践Expert’s Guide」と付けられている.つまり,ロングバージョンタイトルを付けるとすれば,「病気とくすりの両方を患者にわかりやすく伝えるために,疾患と薬剤の基礎的情報を満載にした,エキスパート薬剤師のための実用的なガイドブック」となる.薬物治療における真のエキスパートになりたい方はすぐに手に入れ,実臨床に活かしてほしい.皆さんの患者さんのために.
書評 2
狭間 研至 先生(ファルメディコ株式会社 代表取締役社長)

「対人業務必携の一冊」
 手にとって,驚いた.純粋に面白い.何が面白いかというと,日常診療の中で遭遇するほとんどの疾患が,病気の仕組みや成り立ち,治療の基本的方針,薬物治療の薬理的知識がコンパクトに整理されている.医師である私が時間を忘れて読み込んでしまう. なるほど執筆者一覧にはその疾患領域で著名な医師が数多く見られる.では,医師向けの書籍かというとそうではない.薬剤師向け月刊誌の増刊号である本書のことであるから,当然薬剤師の執筆者が大半で,薬剤師だけが理解できる薬理的な知識が非常に詳細に書かれている.
 私たち医師も薬理学の勉強はしてきたが,本書の薬理的内容は正直言って半分しかわからない.その一方で病理や治療方針については,医師として若干物足りなく感じる部分もある.この絶妙とも言える味付けが本書の最大の特色である.
 薬剤師の業務は今,「対物業務」から「対人業務」へと変わりつつある.言葉を換えれば,「薬を渡すまで」ではなく「薬を飲んだあとをフォローする」ところまでを薬剤師が担当し,ポリファーマシーの改善や残薬の解消を含めた薬物治療を適正化することが求められている. そのためには,薬剤師が患者の疾病,医師の治療方針を理解するとともに,自らが調剤する薬剤の薬理を十二分に理解して患者に接することが欠かせない.とはいえ,前者2つを理解するのには医学書は詳しすぎる.薬理学の教科書を読み込んでも日常業務で出会う患者の状態とはリンクしづらい. 本書はその間を埋めるものであり,薬剤師が対人業務を行うためには必携の一冊であると言えよう.絶妙な味付けを是非実感していただきたい.
書評 3
倉田 なおみ 先生(昭和大学薬学部 社会健康薬学講座 社会薬学部門 教授)

 本書は,書名の通り「病気とくすり」の解説書です.同様な書籍は今までにもありましたが,ほかの書籍と大きく異なる点は,「病気」あるいは「くすり」だけをそれぞれ別にしてまとめても,十分に1冊の書籍になるほど詳しく解説されている点です. しかも執筆者は300名近くに及び,それぞれの専門分野に関して詳細な図や表を示してわかりやすく解説されています.
 「病気」の部分は,疾患分類(循環器,呼吸器など)ごとに「解剖と生理」が解説されていますが,各組織の構造が解剖学書のように詳細なので,新たな発見がたくさんあります.各疾患の解説においては,冒頭に病気と薬の関連が図式化されています. 疾患がどのようにして起こり,各薬剤がどこに作用して疾患が治癒するかの理解が深まります.治療の項目に記載されている処方例は1薬剤だけでなく,同効薬すべての処方が記載されています.各薬品の正しい処方例を確認できるため,自信を持って処方提案することができます.
 「くすり」の部分では,同効薬ごとに血漿タンパク結合率,Tmax,T1/2,尿中排泄率,糞中未変化態排泄率,バイオアベイラビリティ,分布容積,代謝酵素が一覧表にまとめられています. これらの要素を調べて比べるためには多くの資料と時間を要しますが,本書では一目で比べることができるため患者に適した薬剤の選択が容易にできるようになります.
 本書は,あらためて病気と治療薬を学び,復習するのに最適な書籍です.
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