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「薬局」2015年3月 Vol.66 No.3

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2015年3月 Vol.66 No.3
高齢者の多剤併用
薬物治療マネジメントのための多角的視点

定価:2,200円(本体2,000円+税10%)

特集の目次

■特集にあたって(秋下 雅弘)
■多剤併用の実態と問題点(秋下 雅弘)
■多剤併用で問題となる薬物相互作用の捉え方
・医薬品開発における薬物相互作用の評価と添付文書による注意喚起(永井 尚美 ほか)
・薬物相互作用情報と患者リスクの考え方(佐藤 宏樹 ほか)
・加齢による薬物動態学的変化と高齢者で注意すべき薬物相互作用(樋坂 章博)
■訴える症状が副作用か老化の影響かを判断するポイント
・加齢による生理変化と老年症候群(海老原 覚 ほか)
・老年症候群と似た症状を呈する副作用(鈴木 裕介)
■高齢者薬物治療における処方最適化のためのツール(石井 伸弥)
■多剤併用の高齢者に対する処方整理の実践(金子 英司)
■多剤併用の高齢者における個々の疾患に対する処方整理の考え方
・虚血性心疾患(清水 敦哉)
・慢性閉塞性肺疾患(吉田 和史 ほか)
・糖尿病(長谷部 正紀 ほか)
・高血圧症(竹屋 泰)
・うつ病・認知症(水上 勝義)
・慢性疼痛(住谷 昌彦)
■多剤併用の高齢者における服薬管理の実践
・医師の立場から(小島 太郎)
・薬剤師の立場から―嚥下機能や認知機能の低下した高齢者のマネジメント―(賀勢 泰子 ほか)

TOPICS

・発熱性好中球減少症への抗菌薬投与は30分以内!
・コアカリ改訂で実務実習はどうなるのか
・膵癌に対する化学療法の新しいキードラッグ ―ナブパクリタキセル―

シリーズ

■子どもの皮膚トラブル -薬局・薬店でのアドバイスのコツ-
(山本 一哉)
■「治療」「薬局」合同企画 データで読むクスリ
抗てんかん薬に新旧交代はあるか?
(浜田 康次)
■薬剤師よ,心電図を読もう!
初心者の段階で最も必要な知識はこれだ!
(大八木 秀和)
■医療マンダラ ~思考と感性のセンスを磨く~
本当はどちらの治療法(薬など)の方が効くの?~ランダム化比較試験の誕生~
(中野 重行)
■医療従事者のギモンや困ったに答える! トラブルに巻き込まれない著作権のキホン
(服部 誠)
■目指せ感染症マスター! 副作用・相互作用マネジメントの超実践アプローチ
腹部手術後感染で抗菌薬投与中に急性腎障害を発症した入院患者
(門村 将太/山田 和範/岸田 直樹)
■Pharm.D.を取り巻く医療環境レポート
50年にわたる米国の病院薬剤部の歩み
(木村 利美 ほか)
■メディカル・アプリ情報室
子どもたちをVPDから守る予防接種サポートアプリ
(澁谷 正則)
■がん治療への薬学的介入と症例サマリ
胃がん化学療法に対する薬学的介入
(藤井 千賀/木村 豊)

特集にあたって

 わが国は,国民の4人に1人が65歳以上,8人に1人が75歳以上という世界が経験したことのない超高齢社会を迎えている.さらに,2025年には団塊の世代700万人が75歳以上となり,2060年には65歳以上の割合が40%程度にもなると推計されている.このように,今後ますます高齢化が進むわが国において,高齢者の健康問題への対応は,わが国の行方を左右する重要な課題の一つと言える.
 高齢者の健康問題の代表的なものとして,多剤併用が挙げられる.多剤併用には,多病による複数科受診,単一疾患に対する併用療法/強化療法などが関連するが,この問題を最小限にするためには,いかに処方を適正化し,薬物相互作用や副作用などのリスクを軽減するかといったマネジメントが必要となる.その実践に際しては,薬物動態や老年症候群などの加齢に伴う生理的変化や症状・症候,さらには服薬コンプライアンスなども含めた,さまざまな要因を考慮した多角的な視点が求められる.
 そこで今回,「高齢者の多剤併用」にスポットを当て,多剤併用の問題をどのように考え対応していけばよいかを学ぶために,多剤併用に関する基礎知識から処方適正化の実践例までを,わが国を代表するトップランナーの先生方にご解説いただく本特集を企画した.多剤併用のみを取り上げ,深く掘り下げた,おそらくわが国初の特集をお楽しみいただきたい.

秋下 雅弘
東京大学大学院医学系研究科 加齢医学講座 教授