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「薬局」2015年2月 Vol.66 No.2

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2015年2月 Vol.66 No.2
小児科領域の適応外使用
適切な薬物治療を行うためのポイント

定価:2,200円(本体2,000円+税10%)

特集の目次

■特集にあたって(伊藤 進)
■知っておきたい適応外使用Q&A
・Q1:医薬品の適応外使用って何?どのような適応外使用があるの?(景山 茂)
・Q2:なぜ適応外使用はなくならないのか?(河田 興)
・Q3:適応外使用は保険請求できる?(壁谷 悠介 ほか)
・Q4:適応外使用の副作用にはどう対応するの?(賀藤 均)
■小児に対する適応外使用の実態(伊藤 進)
■わが国の薬価制度における小児薬価の現状(岩田 敏)
■適応外使用での小児への用法・用量設計
・用法・用量設計の実際(日下 隆)
・年齢・疾患に伴う薬物動態パラメータの変化を考慮したTDM(田中 亮裕 ほか)
■エキスパートに学ぶ! 適応外使用の実践例
・統合失調症(木本 啓太郎 ほか)
・心不全(市橋 光)
・ネフローゼ症候群(佐藤 舞 ほか)
・全身性エリテマトーデス(木澤 敏毅 ほか)
・若年性特発性関節炎(今川 智之)
■小児科領域における剤形変更・投与経路変更の注意点(倉富 未来 ほか)
■適応外薬が処方された患児・家族に対する服薬指導のポイント(宮口 美由紀 ほか)
■小児薬物療法における薬剤師への期待(神谷 太郎 ほか)

TOPICS

・世界に先駆けて日本で承認された肺癌の分子標的治療薬アレクチニブ
・妊娠糖尿病の発症には生活習慣が関与!?
・敗血症に対するカルバペネム vs β-ラクタム薬/β-ラクタマーゼ阻害薬配合剤
・血圧が気になる方にはトマトジュースを勧める?

シリーズ

■子どもの皮膚トラブル -薬局・薬店でのアドバイスのコツ-
(山本 一哉)
■目指せ感染症マスター! 副作用・相互作用マネジメントの超実践アプローチ
ワルファリン服用中の食道カンジダ症治療
(山崎 洋平/山田 和範/岸田 直樹)
■医療従事者のギモンや困ったに答える! トラブルに巻き込まれない著作権のキホン
(服部 誠)
■医療マンダラ ~思考と感性のセンスを磨く~
真実を明らかにするための臨床試験の原点とは? ~クロード・ベルナールと実験医学のこころ~
(中野 重行)
■薬剤師よ,心電図を読もう!
BLSは薬剤師必修だ!
(大八木 秀和)
■メディカル・アプリ情報室
抗凝固療法をサポートするアプリ
(澁谷 正則)
■がん治療への薬学的介入と症例サマリ
肺がん化学療法に対する薬学的介入
(渡邊 裕之/池末 裕明/米嶋 康臣)
■Pharm.D.を取り巻く医療環境レポート
・薬剤部テクニシャンによる薬物治療確認プログラム実施の試み
・ミシガン州支部における薬剤部業務モデルイニシアティブの動向
(木村 利美 ほか)

特集にあたって

 50年以上前に,英国バーミンガム小児病院のHarry Shirkey先生が,子どもの薬が有効性・安全性の確認なしに使用されている現状を「治療の中の捨て子の状態」つまり「the therapeutic orphan」と表現した.わが国においても,薬の添付文書に効能・効果や用法・用法が記載されていない状態で臨床に使用されている「適応外医薬品」が小児科領域で多く存在する.これらの医薬品が適応外にもかかわらず臨床の現場で使用されてきた主な原因は,小児の医薬品の収益性が悪いため,製薬企業にとっては魅力が少なく,開発に消極的であったこと,その結果,成人の医薬品の開発ばかり優先し,小児に対しては,現場の判断で勝手に使用せざるを得ないという状態が続いたためと考えられる.しかし,適応外医薬品を臨床現場で使用すると,医療提供者および患者に多くの不利益を生じることになる.すなわち,小児への薬剤の有効性・安全性が担保されないで臨床現場で使用されていることが特に問題である.
 この現状を解決するために,わが国では「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」を中心に適応外使用解消への動きがあるが,現在なお多くの適応外医薬品が存在し,新しく開発された医薬品についても,小児に対する適応が取得されないという土壌はあまり変化していない.
 本特集は,小児科領域の未承認・適応外使用医薬品について,その知識,現状,使用上の問題点や治療上の注意点などを,多方面の視点より総説していただいた.本特集が,わが国の子どもにより有効で安全な医療を提供するために,小児の薬物治療に関係されている方々に情報提供をできれば幸いである.

伊藤 進
香川大学 名誉教授
香川大学医学部 小児科学講座
香川県地域医療支援センター 参与