バックナンバー

「薬局」2015年1月 Vol.66 No.1

在庫状況:在庫あり

2015年1月 Vol.66 No.1
妊婦の薬物治療管理
リスクと不安を最小にするための基礎と実践

定価:2,200円(本体2,000円+税10%)

特集の目次

■特集にあたって(村島 温子)
■サリドマイド薬害の教訓(栢森 良二)
■妊娠と薬に関する基礎知識
・母体内での胎児の発達と薬物曝露の影響(伊藤 直樹)
・催奇形性に関する情報源と情報の見方・考え方(中島 研)
■妊娠による生理変化と薬物動態
・吸収過程(菅原 満)
・分布過程(加唐 誠剛東 ほか)
・代謝過程(越前 宏俊)
・排泄過程(木村 聡一郎 ほか)
■ヒトの胎盤構造と薬物透過性(大谷 壽一)
■妊娠を希望する/妊娠した基礎疾患を持つ患者へのアプローチ
・全身性エリテマトーデス(村島 温子)
・甲状腺機能異常症(荒田 尚子)
・双極性障害(鈴木 利人)
・てんかん(岩城 弘隆 ほか)
・慢性腎臓病(三戸 麻子)
■妊娠に合併する疾患の治療戦略
・妊娠高血圧症候群(鈴木 佳克 ほか)
・妊娠糖尿病(和栗 雅子)
・感染症 -性感染症を中心に-(野口 靖之)
・切迫早産(青木 宏明)
・脳卒中(吉松 淳)
■妊婦に対する医療コミュニケーションと服薬カウンセリング
・妊娠した女性の心理状況(佐藤 喜根子)
・妊娠中のストレスが母児に及ぼす影響(大橋 正伸)
・周産期遺伝カウンセリングから学ぶ医療コミュニケーションのポイント(佐々木 愛子)
・妊娠中の服薬に不安を訴える女性に対するカウンセリングの実践(渡邉 央美)

TOPICS

・新規高カリウム血症治療薬への期待
・4.7%−β-ラクタム薬の交差アレルギー−
・つわりによる消化器症状の緩和にショウガが有効?
・昨日までの推奨事項が今日には変わることもある!オキサリプラチンの副作用対策に関する研究結果を例に
・デノスマブは顎骨壊死や感染症のリスクを増加させる?

シリーズ

■子どもの皮膚トラブル -薬局・薬店でのアドバイスのコツ-
(山本 一哉)
■「治療」「薬局」合同企画 データで読むクスリ
ワルファリン vs 新規抗凝固薬(NOAC) シェアが多いのはどっち?!
(浜田 康次)
■医療マンダラ ~思考と感性のセンスを磨く~
あなどるなかれ,過度な「期待効果」の影響を! ~論文不正問題から学ぶ教訓~
(中野 重行)
■薬剤師よ,心電図を読もう!
心電図には色々な種類がある
(大八木 秀和)
■目指せ感染症マスター! 副作用・相互作用マネジメントの超実践アプローチ
下痢がなかなか治まらない入院患者
(山田 和範/岸田 直樹)
■医療従事者のギモンや困ったに答える! トラブルに巻き込まれない著作権のキホン
(服部 誠)
■がん治療への薬学的介入と症例サマリ
血液がん化学療法に対する薬学的介入
(根本 真記/上田 響子)
■メディカル・アプリ情報室
PK-PDにも対応する高機能な抗菌薬TDMアプリ 後編
(澁谷 正則)
■Pharm.D.を取り巻く医療環境レポート
・総合がんセンターにおける薬剤業務モデルイニシアチブの実施
・肝硬変時の抗菌薬の投与量
(木村 利美 ほか)

特集にあたって

「健全な母体に健全な児は育つ」これは30年前に日本で初めて母性内科を創設された木戸口公一先生のお言葉であるが,健全な母体を維持するために薬物治療が必要な場面がある.しかし,「妊娠中に薬を使用することは非常に怖いこと」と思い込み,妊娠を先延ばしにしているうちに妊娠のチャンスを逃してしまう例や,薬物療法でしっかりコントロールをしなくては良好な妊娠転帰が期待できない疾患であっても,妊娠したとたんに自己判断で休薬してしまう例が少なくないのが現状である.
医師が患者に薬剤を処方する際には,その効果と副作用のリスクを天秤にかけて判断している.妊婦・授乳婦に対しても「リスクを考慮しても薬剤を投与することにより得られる効果が病態の改善にとって必要である」と判断したときにのみ処方するという点では同様だが,妊婦・授乳婦で特別なのは,妊婦・授乳婦へ薬剤投与を行うことにより薬剤を必要としていない胎児・乳児にも薬剤が投与されることである.すなわち,児にとっては副作用のリスクのみが負荷されることになるわけで,これが特に慎重さが求められる理由である.
では,医療者はどのように情報を収集し,どのように解釈し,どのように患者さんに説明すればよいのだろうか? これに応えるべく本特集では,妊娠中の薬物治療についての基本的な知識,薬物治療の実際などについて第一線の先生方に執筆していただいた.今後の臨床業務に役立てていただければ幸いである.

村島 温子
国立成育医療研究センター周産期・母性診療センター 
主任副センター長