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「薬局」2014年11月 Vol.65 No.12

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2014年11月 Vol.65 No.12
肺癌の分子標的治療
個別化薬物治療の新たな展開

定価:2,090円(本体1,900円+税10%)

特集の目次

■特集にあたって(弦間 昭彦)
■わが国の肺癌分子標的薬 -現状の位置づけ-(水谷 英明 ほか)
■個別化薬物治療のための遺伝子診断を徹底理解!
・癌治療におけるコンパニオン診断薬の役割と今度の展望 -肺癌を中心に-(光冨 徹哉)
・肺癌診療における遺伝子診断のピットフォール(島田 天美子 ほか)
・マルチプレックス遺伝子診断による肺癌薬物治療の新展開(西尾 和人)
■新規EGFR-TK阻害薬とゲフィチニブはココが違う!使い分けのポイント!
・エルロチニブ(福岡 和也 ほか)
・アファチニブ(武田 晃司)
■肺癌治療における分子標的薬の使い方のコツ!投与のタイミングと耐性発現時の対応
・EGFR-TK阻害薬(赤松 弘朗 ほか)
・ALK阻害薬(丹保 裕一 ほか)
・抗VEGF抗体(大森 翔太 ほか)
■どう対応すればよい!?肺癌の分子標的治療における副作用マネジメントの秘訣!
・肝障害(岩澤 俊一郎 ほか)
・皮膚粘膜障害(中村 泰大 ほか)
・肺障害(峯岸 裕司 ほか)
・血液障害(林 稔展 ほか)
■肺癌の分子標的治療における相互作用モニタリングの実践(池末 裕明 ほか)
■肺癌治療における分子標的薬の薬剤経済学的評価(伊勢 雄也 ほか)
■外来肺癌患者に対するファーマシューティカルケア -適正使用と服薬指導のポイント-(高山 智行 ほか)

TOPICS

・一生で死に最も近いときの薬物療法:新生児の心肺蘇生と薬物療法
・高齢患者に対する術後補助化学療法のベネフィットは?
・ベンゾジアゼピン系薬剤の長期服用はアルツハイマー病の発症リスクを上げる?
・β-ラクタム系抗菌薬にアレルギーのある患者への抗菌薬選択

シリーズ

■子どもの皮膚トラブル -薬局・薬店でのアドバイスのコツ-
(山本 一哉)
■「治療」「薬局」合同企画 データで読むクスリ
緑内障点眼剤の最新トレンド,シェアが急伸している薬は?!
(浜田 康次)
■徹底理解! 添付文書にある情報・ない情報
(堀 里子 三木 晶子 澤田 康文)
■がん治療への薬学的介入と症例サマリ
急性骨髄性白血病患者に対する薬学的介入
(土手 賢史 植田 知代子)
■Pharm.D.を取り巻く医療環境レポート
・新生児経静脈栄養の安全性を改善するためのFMEA(失敗形式とその影響の分析)の使用
・祝:50周年を迎えた薬局レジデンシートレーニング
(木村 利美 ほか)
■メディカル・アプリ情報室
アプリでできるTDM Part 4
(澁谷 正則)
■精神科薬剤師の事例でみつけた薬学管理Tips -観察・監査・対応の着眼点-
炭酸リチウムの適正使用
(齋藤 百枝美 ほか)

Report

■医薬品安全性学のススメ(1)-薬剤師は薬の“おまわりさん”です-
(宇野 勝次)

特集にあたって

肺癌において,上皮成長因子受容体チロシンキナーゼ(EGFR-TK)阻害薬であるゲフィチニブの承認以来,12年が経過した.その間に,2004年,EGFR遺伝子変異が発見され,2010年に,EGFR遺伝子変異のある肺癌の初回治療において,EGFR-TK阻害薬の薬効が通常の化学療法薬剤を大きく上回ることが証明され,肺癌の個別化医療が決定づけられた.2014年には,次世代EGFR-TK阻害薬であるアファチニブが承認され,今後はこれらのEGFR-TK阻害薬をどのように使い分けるかが臨床上の問題となっている.また,EML4-ALK融合遺伝子が2007年に発見され,2012年,ALK阻害薬クリゾチニブが承認された.個別化医療が広がりを見せた一歩と言えるが,EGFR-TK阻害薬とともに耐性が出現することが明らかになり,その克服が問題となっている.新薬の開発とともに,各薬剤におけるこれらの問題の整理が望まれる当面の課題と言える.同時に,この遺伝子異常の診断について,診断技術の進歩をどう還元していくか,個別化医療の大きな問題が横たわっている.
今回の特集では,「治験に用いられた診断方法は,臨床現場で最適な診断法とは限らず,診断技術の早い進歩をどう取り入れていくか?」「網羅的解析技術の臨床応用の展望はどうか?」など,遺伝子診断の問題,「続々と開発される同一分子標的薬をどう使い分けるか?」など使用上のポイント,「特徴的な副作用の対策」「注意するべき他剤との相互作用」,そして,「薬剤の経済学的評価」という新たな問題などに焦点を当て,今日的な肺癌分子標的治療の問題と新たな展開を明らかにしたい.

弦間 昭彦
日本医科大学大学院医学研究科 呼吸器内科学分野 主任教授