バックナンバー

「薬局」2014年1月 Vol.65 No.1

在庫状況:在庫あり

2014年1月 Vol.65 No.1
再考!糖尿病治療
最新エビデンスから治療のあり方を考える

定価:2,052円(本体1,900円+税8%)

特集の目次

■特集にあたって(名郷 直樹)
■患者に及ぼす糖尿病のインパクト(永井 聡 ほか)
■血糖目標値と厳格血糖管理のエビデンス
・1型糖尿病に対する厳格血糖管理のリスク&ベネフィット(青島 周一)
・2型糖尿病に対する厳格血糖管理のリスク&ベネフィット(米永 暁彦ほか)
・高齢者糖尿病患者と厳格血糖管理のエビデンス(名郷 直樹)
・ICUと厳格血糖管理(江木 盛時)
■生活習慣の疑問に答えるヒント
・糖尿病の食事療法はカロリー制限?それとも炭水化物制限?(福井 道明)
・禁煙で体重増加でも糖尿病患者の心血管リスクは軽減する?(米田 博輝)
・2型糖尿病患者の運動は何をどの程度やればよい?(塩田 正喜ほか)
■エビデンスから読み解く糖尿病治療薬の留意点
・わが国における2型糖尿病の第一選択薬(岩岡 秀明)
・腎機能が低下した2型糖尿病患者の薬剤選択(熊谷 仁ほか)
・血糖コントロールが不十分な2型糖尿病患者の薬剤選択(山本 和利)
・糖尿病治療薬と癌(能登 洋)
・インスリンと心血管死亡(福士 元春)
■スタチンの心血管イベント一次予防効果と糖尿病発症リスク(荒井 秀典)
■2型糖尿病患者の降圧目標値と厳格血圧管理のリスク&ベネフィット(江口 和男ほか)

TOPICS

・薬剤師による服薬指導は服薬アドヒアランスを向上させる!
・アセトアミノフェン中毒時はアセチルシステインの静脈内投与が有効!
・ペルツズマブの推奨レジメンはトラスツズマブおよびタキサンとの3剤併用
・新生児における先天性乳麋胸水に対するオクトレオチド投与療法
・小児に対するテイコプラニンのローディングドーズは1回当たり10〜15mg/kgとした報告

シリーズ

■「治療」「薬局」合同企画 データで読むクスリ
DPP-4阻害薬の登場がSU薬の処方数に与えた影響は?!
(浜田 康次)
■目指せ感染症マスター! 抗菌薬処方支援の超実践アプローチ
1週間前に風邪の診断で内服抗菌薬を処方されていた頭痛を訴える患者
(山田 和範/岸田 直樹)
■徹底理解! 添付文書にある情報・ない情報
(堀 里子/三木 晶子/澤田 康文)
■Pharm.D.を取り巻く医療環境レポート
ASHPガイドライン:病院薬剤部における標準業務
(木村 利美 ほか)
■認定薬剤師研修の広場
命をつなぐ女性にやさしい漢方薬〜月経・妊娠に関連したからだとこころのトラブルに〜
(塩田 敦子)
■メディカル・アプリ情報室
ホワイトボードでコミュニケーション
(渋谷 正則)
■精神科薬剤師の事例でみつけた薬学管理Tips -観察・監査・対応の着眼点-
抗精神病薬の副作用 2
(齋藤 百枝美 ほか)

特集にあたって

 UGDP研究で,トルブタミドによる血糖コントロールにより心血管疾患死亡や総死亡が増加,インスリンですらプラセボに劣る傾向という衝撃的な結果が発表されて40年以上,いまだその問題は解決していないように思われる.少なくとも薬物治療によって血糖を下げた分に相当する合併症予防効果は認められていないし,死亡率の低下も示されていない.心血管疾患については減るかどうかすら怪しい面もある.
 1998年のUKPDS33で示された全糖尿病合併症の減少は高々12%にすぎない.それも心血管疾患の減少は明らかではなく,その大部分が網膜症の減少によるものである.2008年のACCORD研究では心血管疾患の統計学的な減少は示されず,逆に総死亡の有意な上昇が示された.観察研究の結果はさらに衝撃的で,インスリン治療患者ではHbA1cが6.5%と10%のときの死亡率がほぼ同じだというのである.
 しかし,これらの研究結果は現実の臨床現場で無視されているように思われる.少なくとも多くの糖尿病患者にこのような結果が伝わっていない.これは異常な事態ではないだろうか.そしてその異常な事態は40年も放置されてきた.糖尿病に対する薬物治療は大変な問題を抱えているのである.
 本特集により,少なくともこれは異常な事態であるということが,現状行われている治療とエビデンスのギャップや臨床家間のさまざまな意見の不一致により示されるだ
 ろう.

名郷 直樹
武蔵国分寺公園クリニック 院長