定価:1,995円(本体1,900円+税5%)
■特集にあたって(名郷 直樹)
■臨床研究の見方・考え方(濱野 高行)
■Japan study 2011(米田 博輝)
■高血圧症治療薬
・脳卒中と降圧療法(大蔵 隆文)
・ARBの多面的効果および他剤との比較検討(横山 靖浩 ほか)
・RBと心血管イベント発症リスク,発がんリスクに関する最新のエビデンス(植田 真一郎)
■糖尿病治療薬
・血糖コントロールの目標と多因子介入(岡田 悟 ほか)
・チアゾリジン系糖尿病治療薬(福士 元春)
・メトホルミン(細谷 工 ほか)
■スタチン
・スタチンと心・脳血管イベント〜1次予防に関して〜(荒井 秀典)
・スタチンとがん(名郷 直樹)
・スタチンと肺障害・感染症(名郷 直樹)
■抗血栓薬・血液疾患治療薬
・心血管イベントにおけるアスピリンの効果(小野 咲弥子 ほか)
・新規経口抗凝固薬(後藤 信哉)
・特発性血小板減少性紫斑病(藤村 欣吾)
■慢性閉塞性肺疾患治療薬
・チオトロピウム(一ノ瀬 正和)
・COPDに対するβ受容体刺激薬と遮断薬(青柴 和徹)
■気管支喘息治療薬の最近の臨床研究(山下 直美)
■非ステロイド性抗炎症薬
・NSAIDsと心血管イベント(角田 慎一郎 ほか)
・NSAIDsの多彩な薬理作用(水島 徹)
■感染症治療薬(岩田 健太郎)
■H. pylori 除菌治療(佐藤 貴一 ほか)
■向精神薬による双極性障害治療(中村 友喜)
■オピオイド鎮痛薬(側島 友 ほか)
■加齢黄斑変性に対する抗VEGF薬の治療効果―ラニビズマブとベバシズマブの比較―(澤田 智子 ほか)
■C型肝炎治療薬 テラプレビル(坂本 直哉)
■小児期GERDに対するPPI治療(加藤 晴一)
■妊婦の薬物治療(岡田 唯男)
■更年期障害の薬物治療(髙松 潔 ほか)
■薬物による骨折リスク(南郷 栄秀)
■急性非代償性心疾患患者に対するフロセミドの投与方法(丸山 徹)
■Exercise
■医療過誤事件から学ぶ薬剤師の失敗学 第1回
・薬剤師って何?
・処方せんや調剤ってどんな意味?
(秋本 義雄)
■Pharm.D.を取り巻く 医療環境レポート
・薬剤師レジデントの定員拡大:薬剤師レジデンシー定員数に関するステークホルダー協議会のハイライト
・レジデンシープログラムに携わる指導者育成のための方策とリソース (木村 利美 ほか)
■もし薬剤師が薬(ドラッグ)の化学構造式をもう一度勉強したら 第3回
構造式から薬を読む〈基本骨格編:作用機序①〉
(浅井 考介 ほか)
■PCソフトウェアを用いた実践的TDM症例解析 第17回
抗てんかん薬 カルバマゼピン―OptjpWin Spreadsheet Ver. 6.1D―
(高尾 良洋 ほか)
・ QOLを用いたドライアイの評価方法
・ ICS/LABA配合薬は漠然と使用しない
・ 関東以南では積極的な日本脳炎ワクチン接種を!
EBMという言葉が初めて使われたのは,1991年のACP Journal Clubの鉄欠乏性貧血の診断にかかわる一文であるといわれている.そこには,“Evidencebased-medicine uses additional strategies.”と書かれている.EBMは当初から,これまでのやり方を置き換えるようなものではなく,「付加的に利用する」ものとして構想されたことがわかる.
そこから20年を経て,EBMという言葉は十分に普及した.しかし,EBMに対する誤解はいまだ解けないままである.そこでこの特集が組まれた.2011年に発表されたエビデンスに限ってまとめようという企画である.
EBMの実践は,本来これまでのさまざまなエビデンスや経験,直観,患者の価値観などに付け加えられて利用されるというものである.しかし,「最新のエビデンスを付加して決断する」という部分が,経験,直観や患者の価値観を無視して利用されるものであるというように曲解されたことが,EBMに対する最大の誤解の1つである.
今回の特集は,そこに明確な方針を打ち出している.2011年に発表されたエビデンスを,これまでのエビデンスに付け加えるという作業に限定し,付加的な戦略としてのEBM実践という立場を明確にして編集したことである.
1つの論文結果が付け加えられることによって,何がどう変わるのか,「EBMは付加的な戦略として利用する」,それを実感していただければ幸いである.
名郷 直樹
武蔵国分寺公園クリニック 院長