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「薬局」2010年10月 Vol.61 No.11

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2010年10月 Vol.61 No.11
がん薬物療法を支える
―薬剤師の目線・スタンス・ポジション―

定価:1,995円(本体1,900円+税5%)

特集の目次

■特集にあたって(山本信之)

■レジメンを読み解く第一歩! 診療ガイドライン,取扱い規約を理解する(宮田広樹ほか)

■抗がん薬投与の開始・減量・中止を薬学的視点で判定する(野村久祥)

■がん化学療法へ影響を及ぼす病歴に関する対策を検討する(大橋養賢)

■治療可能な患者プロフィルの境界線を薬学的視点から見直す
―年齢およびPerformance Statusを中心に―(大橋養賢)

■患者プロフィル・治療計画からレジメンの妥当性を評価する(鈴木賢一)

■適切な支持療法薬の選択により患者のQOLを高める(辻 大樹ほか)

■がん患者に対する治療薬を管理する
―併用薬や嗜好品との相互作用チェックを中心に―(中垣 繁)

■抗がん薬のコストに関する意識を高める
―後発品開発の現状と導入上の課題―(望月敬浩)

■アドヒアランスの維持・向上のために服薬を支援する
―経口抗がん薬における簡易懸濁法の適否を含めて―(増田佳織)

■病院・保険薬局間で患者情報を共有化する(松久哲章ほか)

■Exercise

SERIES

Pharm.D.を取り巻く医療環境レポート -新連載-
・静脈血栓塞栓症のリスク評価と軽減に関する諸問題
・薬物療法個別化のための薬剤師を対象としたゲノム薬理学プログラム
(木村利美ほか)

がんを治療する新しい薬 分子標的治療薬 -新連載-
従来型抗がん薬と分子標的治療薬のちがい
がんの増殖のしくみからみる
(石川和宏)

小児医療現場で起こっている危険 第5回
患者の薬の管理と安定性試験
(米子真記ほか)

PCソフトウェアを用いた実践的TDM症例解析 第5回
バルプロ酸
(喜古康博ほか)

FDA新薬情報 最新の新薬承認から
ナタジア/ プロリア/ ジェブタナ
(石居昭夫)

Report

2010年度 東京都がん診療連携拠点病院等
薬剤師研修会における取り組み
(川上和宜ほか)

NEWS

・難治性疼痛に対する薬物療法
・ダニの経口摂取による即時型アレルギー
・皮膚科受診患者における健康食品・サプリメントの摂取状況

巻頭言

この10年間でがん薬物療法はさらに進歩し,それを取り巻く医療環境は大きく変化した.治療対象は標的分子により細分化され,その結果,治療方法が多様化した.それに伴い新しい有害事象が出現し支持療法も複雑化してきた.また,薬剤費高騰により個人の医療負担額が著増し,がん化学療法の実施には治療費の説明が必須となった.さらに,治療場所の主体が入院から外来へ移行したため,治療にかかわる要因が増加したにもかかわらず,治療方法決定にかける時間が,以前より短縮せざるをえなくなっている.このようながん化学療法を安全かつ円滑に実施するためには,医師,看護師,薬剤師,検査技師などのそれぞれの専門職種との協働,すなわちチーム医療が必要不可欠であることは言うまでもない.
 薬剤師に対しては,がん化学療法の有害反応の説明はもちろんのこと,その対策への参加も大いに期待している.最近は経口の分子標的薬も各種がんの領域で使用されている現状にあり,注射剤とは異なり患者の自由意志によって服用方法が変えられてしまう可能性もある.服用の意義や起こりうる有害反応やその対応方法について事前に詳しく薬剤師からの説明があることは,コンプライアンスの向上につながる.また,説明だけにとどまらず,有害反応への対策についての医師への積極的な処方提案も歓迎したい.
 本特集では,がん治療に携わっている薬剤師が実際の患者に対してどのような点に着目して治療経過をみていくか,幅広い視点での記載がある.
本特集が,臨床現場への有用な情報提供が可能な薬剤師を目指すうえで参考になることを期待している.

静岡県立静岡がんセンター 呼吸器内科 部長 山本 信之