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2004年5月 Vol.55 No.5
サプリメントの使い方・選び方-統合医療における薬剤師の役割-

定価:2,052円(本体1,900円+税8%)

特集の目次

■巻頭言 丁 宗鐵
■日本におけるサプリメントの現状と問題点 丁 宗鐵
■サプリメントの法的規制        石見佳子
■サプリメントの適正使用とその指導    小内 亨
■サプリメントの使い方・選び方-疾患編
 生活習慣病-肥満・高脂血症を中心に- 辻 悦子
 更年期障害-のぼせを中心に-      陳 瑞東
 悪性腫瘍                福田一典
 美容・肌荒れ・アレルギー        水野信之 ほか
 抗加齢のサプリメントと今後の動向    渡邊 昌 ほか
 高血圧・ED               横山博美
■サプリメントの使い方・選び方-食品編
 抗酸化食品 市川 寛
 ビタミン 竹崎伸一郎
 ミネラル 中村利孝
 西洋ハーブ 橋口玲子
 局方外生薬のサプリメント化        糸数七重
■注目されているその他のサプリメント    板倉弘重
■サプリメントの品質と安全性        関田節子
■米国におけるサプリメントの現状      安西英雄
■サプリメントの流通            加藤三千尋

SERIES

■実際薬学
基礎から学ぶファーマシューティカル コミュニケーション
第2回 自分を知る(I) 小川芳子

連載シリーズは誌面の都合により,今月号では休載させていただきます.

付録

第89回 薬剤師国家試験問題と解答(編集部案)

巻頭言

 欧米でいうサプリメントは健康食品と訳されることが多い.しかし実際,これに近い概念は,日本では民間薬と呼ばれてきたものである.民間薬というと本来,薬の専門家の指導と相談により行うべき内容のものとなるので,健康食品と言い換えているのであろう.サプリメントは欧米では医学分類上,CAMの領域に入る.CAMとは代替・相補医療(Complementary and Alternative Medicine)のことであり,最近は統合医療(Integrated Medicine)とも呼ばれる.欧米では近年CAMがきわめて盛んになっている.CAMとは正式な医学から外れた,またはいまだ正式には有効性と安全性が確認されていない治療法を包括する概念である.アメリカのNIH(国立衛生研究所)はCAMの研究のため多大な研究費を毎年支出している.これはCAMの有効性と安全性を検証するためのもので,決してCAMを推奨するためではない.
 欧米のこのような新しいCAMの動きに刺激され,日本でも各種の代替医療便乗型の動きが出現している.とくに,海外の伝統薬(ハーブなど)の一部が断片的に本来の医学体系から切り離され,医事法・薬事法を巧みにすり抜けて日本に導入されている.
 漢方薬の相談,調剤,販売も薬剤師の資格が必要である.漢方薬により診断・治療する場合,西洋医学の医師免許取得が義務づけられている.漢方薬と西洋薬は本質的に異なる医療であるが,それは理由とされない.生薬製剤の鑑定・評価・規格にはそれなりの公的基準が必要であり,調剤,服用指導,診断と治療を行う場合はそれなりの国家資格が必要である.こと人命に関する以上,本来医療,医薬は公的なコンセンサスを得て行われるべきものである.それによって生命や健康がビジネスの対象になることを社会的に防いできた.現在この歯止めはサプリメントにはまったくない状態である.
 サプリメントに対しては,和漢薬や漢方薬を扱っている専門家が中心となって取り組むことが効率よく最も理にかなっている.しかし日本では,漢方薬自体が保険医療化しているのでサプリメントに対して医師,薬剤師を問わず漢方の専門家の関心は低い.CAMの領域が近年急速に注目され広がったため,行政も医学・薬学教育も現状の変化に追いつかない.サプリメントを系統的に教育カリキュラムに入れている薬科大学は今のところない.この隙間をぬって医薬の専門家でない人達によってサプリメントが健康産業化されている.本特集では,これらサプリメントを対岸の出来事と傍観しないで自らの領域の問題・責任ととらえ,その現状と問題,さらに具体的指導・対応法などを含めて考えるものである.日常の薬局業務に直ちに役立つ内容となっている.

日本薬科大学 客員教授/順天堂大学医学部 客員助教授 丁 宗鐵